この度、Rising Tiptoeを劇団ではなく私個人のプロデュースユニットに戻すことに致しました。
Rising Tiptoeは2006年3月、私個人のプロデュースユニットとしてスタートし、その後2010年に中村小麦、2012年に糸山享史朗を「劇団員」として迎え入れたのを機に、表向きには劇団と名乗るようになっていました。
とはいえ、劇団員に団費を収めさせていたわけではなく、制作諸々の仕事も私一人でこなしてきました。
つまり「劇団」と名乗るようにはなっていたものの、プロデュース時代と何ら体制は変ってはいないまま活動を続けていたということです。
ですので、もとのプロデュースに戻すと言っても、名称が変わるわけでも、何かが大きく変わるわけでもありません
では、何も変わらないのなら、なぜプロデュースに戻すのか?と言いますと、
Rising Tiptoeが更なる成長を遂げる過程で「劇団」という建前がだんだんと無意味なものになってきたからです。
「劇団員」と「客演」の違いが実質的には何もない状況下で、能力や努力、「場」に対する姿勢の差ではなく表向きの立場の違いで接し方を変えることが難しくなりつつあります。
公演の成功は、私にとって、「作」として「演出」として、そして「主宰」としてという3本柱の総合です。
作・演出(特に作は)アーティストとしての私の顔である一方、主宰は場をまとめるリーダーとしての資質が求められます。
リーダーは大人数を束ねなければなりません。
結果、立場上言いたくもない小言を言うのが仕事になってしまったり、私の目の届かない場面での問題に気を病んでしまうことがありました。
最近は、その積み重ねで本来アーティスティックな作業に注がれるべきエネルギーを、芝居とは関係のないことに費やさねければならない場面に葛藤することが多くなってきたのも事実です。
その葛藤を続けることが、育てることであり、保つこと、であるのかも知れません。
ですが、私はあくまでアーティストなので、アーティストとして歩む道を選択しました。
プロデュースに戻す決断は、あくまで作家でありたいという私の身勝手によるものです。
それ以上でもそれ以下でもありません。
思う存分書きたい、思う存分演出したい。
いまはそれだけです。
もとのプロデュースに戻すことによって、縛りがなくなって執筆にも自由度が増し、これからますます良い作品を書けるはずです!
この8年間で、本当に魅力的な役者が大勢集まり、作家としての私は常に触発されています。
「この人にはこんな役が似合うな」
「こんな役も出来そうだけど、本人は気づいていないんだろうな」
など、常に発見があります。
稽古中や素に戻ったときの様子をこっそり観察しながら妄想(!)するのがとても楽しく、実際に周りも本人もあっと驚くような役を当てて、それが見事に舞台上で開花したときには何とも言えない達成感があります。
この先も、そんな素敵な発見をたくさんしながら、たくさんの役者のために書き、全員で創り、全員で輝きたいというのが私の思いです。
新しく出発することになったRising Tiptoeをこれからもよろしくお願い致します・・!
Rising Tiptoe
宇吹萌

