『いじわるコーラス』上演について | 宇吹萌ブログ

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劇作家・演出家・Rising Tiptoe主宰 宇吹萌のブログです

【公演中止のお知らせ】

 

この度、コロナウィルス感染拡大を防ぐため、9月に上演予定だった『いじわるコーラス』の上演を中止する決断を致しました。

参加予定だった第32回池袋演劇祭も中止が発表されました。

演劇祭に参加することなく、予定通り上演する道も残されていましたが、お客様、キャスト・スタッフ、それぞれのご家族の安全を第一に、一主宰として中止を決めました。

公演を楽しみにしてくださっていた皆様、大変申し訳ありません。

 

夏以降の公演に関しては予定通り上演する団体もあります。

考えかたはそれぞれだと思いますが、コロナウィルスに有効なワクチンがまだ開発されておらず、年内の公演はあくまで「感染リスクと上手く付き合いながらの上演」となります。

 

会場で来場者の体温を測り、消毒を徹底したところで「感染リスクが0」になるわけではありません。

「感染リスクと上手く付き合いながらの上演」であることを前提に、「観にいらしてください!」とお客様にお声がけする形の上演は、私の望む形ではありません。

 

いま演劇は風前の灯火です。「感染リスクと上手く付き合いながらの上演」を決行する公演のどれか一つからたった一人でも陽性反応が出たら、演劇の未来は大きく変わってしまいます。

演劇を愛する者として、それは目の前の個人的な経済的な負担よりも遥かに恐ろしいことです。

 

公演中止は経済的な負担を背負う覚悟のいる決断ではありましたが、お客様・キャスト・スタッフ・それぞれのご家族の命に責任を持たなければならないイベント主催者として、演劇の未来を守りたい一個人として、中止に迷いはありませんでした。

 

「延期」という道も考えなかったわけではありませんが、その場合「時間的な拘束」という二次的な被害をキャストに課してしまうことになりますし、公演時期が変わることで出演できなくなってしまうキャストも出てきます。

自粛で仕事をなくし、これから新しい仕事を探さないといけない人は、稽古期間にあたる8月にシフトを入れられないということが職探しのハンディになりかねません。

 

諸々、熟考した結果、延期ではなく中止という決断に至りました。

 

Rising Tiptoeは、お客様に心から楽しんで頂ける作品を提供する演劇企画です。

不安なく劇場に通って頂ける日常が戻りましたら、その時にまた新たに公演を企画したいと考えています。

 

まずは今回の負債を返上し経済的に立ち直らなければなりませんが、必ず立ち直ります。

「場」を失ってしまったキャスト陣、仕事を失ってしまったスタッフさん方のためにも、いつまでも落ち込んでいられません。

 

いつもRising Tiptoeを応援して頂き、改めてどうも有難うございます。

これからも精進して参りますので、今後もRising Tiptoeをどうぞよろしくお願いいたします。

 

Rising Tiptoe

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