小林由尚、通称「小林くん」。所属している劇団の新宿梁山泊や唐組では「こば」「よしなお」と呼ばれているみたいです。
【Tiptoeでの出演作品、役名】
#03『He』r(カナ)、 #08『いじわるコーラス』(俺様、インテリヤクザ)
出会った当初はまだ新宿梁山泊の劇団員ではなく、武人会という殺陣の会を私が見学させてもらったのが縁で知り合いました。
新宿梁山泊は唐十郎さんの作品を主に上演している劇団。そういう意味では小林君と私と演劇の育ち(?)は似ているので、遅かれ早かれテントで顔を合わせていたのではないかと思います。
お互い毎回観に行っているのに、これまで唐組で一度も会ったことがなかったのがいまとなっては不思議なくらい。
梁山泊では『ベンガルの虎』で主演を務めたこともある若手看板。
経歴だけ知ると、とても骨太なイメージを受けますが、初めて出てもらった「Her」では役名でも分かる通り女装して頂きました。あまりよく本人の性格を知らなかったからこそ出来たキャスティングだったと今になって思います。
というのも小林くん、もの凄く男気のある日本男児なんです。人が嫌がることでも率先してやる、黙ってやる、きちんとやる、やったやったと主張しない。(←だれ?)
出演していない作品でも、自ら名乗り出てバラシを手伝ってくれたり仕込みに朝一で来てくれたり。
いつも甘えてばかりです、本当にどうもありがとう![]()
しかもさすがテント仕込み、仕事が出来る!しかも早い!機転が効く!アクシデントに強い!
幕が開いてからの道具の不具合もささっと直してくれたりします。
とここまで書けばお分かりだと思いますが、例によって
「崩してやる~
」
といらない作家性を発揮して書いたのが『いじわるコーラス』で大人気だった「俺様」の役。
ナルシストなIT社長の役でした。本人とはかけ離れたパーソナリティー。
小林くん、ホクロの除去なんてお鍋の蓋ほど興味なさそうだもんね。
私もどちらにも興味ないけど。
稽古頭はどう作ろうか悩んでいたみたいです。役作りに悩んだ場合、身近な人間で似ている人物を参考にするのが有効だと思いますが、「ホクロの除去に精を出す麻布十番のIT社長」なんて知り合いにそうそういませんから、さあ大変。
入れ知恵はしましたが、私が出来るのはその程度。実際に板に上がるのは小林くんです。さあ、どうする?
脱いだ![]()
あなた二枚目でしょう・・???
そこまでしなくて良いのに・・・
あれ多分、お客さんに私の演出だと思われているんだろうな・・
違います
自発的です![]()
因みに『時計は生きている』で「梨本坊っちゃん」役の玉田くん(*エントリー「高野亜沙美」をご参照ください)が突然パンツ一丁になりましたが・・
あれも自発的です![]()
通し稽古まではシーン稽古で、違うシーンのキャストとは顔を合わせないため、通し稽古で初めて自分が出ていないシーンの全貌が明らかになります。
なので、初めての通し稽古ほど役者が緊張する通しはないのではないかと思います。(*エントリー「高野亜沙美」をご参照ください)
あれは『時計は生きている』の初通しでのこと。
エッフェル塔子と梨本坊っちゃん(両方とも役名です。=市川、玉田。)のシーンを初めて見るババアやらジジイやら人間ドアやら(役名です。=蛯原、今野、森下。)に緊張が走るー
「いよいよ作品の全貌が明らかになる!どうなってるんだ、他のシーン!?」
梨本坊っちゃん、パンツになった・・!
「梨本坊っちゃん」は「エッフェル塔子」がメインパーソナリティーを務めるテレビ番組のアシスタントの役。エッフェル塔子さんが視聴者のお悩み相談をしている間に、番組のスポンサー企業の商品をさりげなく宣伝してくれれば良いのです。
だーかーらー
パンツになる必要まったくないよ・・・??
小麦「宇吹さんの現場であそこまでする勇気のある人初めてみました・・。スゴイ
」
森下「(爆笑![]()
)」
太郎「(舞台上にいながら心の中で爆笑![]()
)」
エビさま「みんな何でそんなに笑ってるの・・・!?俺の手前で一体何やってるの~(自分も舞台 上にいるのでちゃんと見れない)」
矢追「パンツなんて見たくない・・」
バシ「絶対にトレース出来ないわあ・・・」
賛否両論。
概ね好評だったのですが、私は少数派:矢追さんの意見に賛同。
ー稽古後ー
矢追「パンツなんて見たくない。しかもボクサーパンツなんて普通すぎて生々しい」
宇吹「見せるならギャグパンツにしないとね」
矢追「リアルすぎて何狙ってるのか分からない。」
宇吹「そうそう。私もそう思う。「寿」パンツ買っておきます」
*ボクサーパンツは玉田くんが「勝負パンツです」といってはいてきてくれました。
ー次の「エッフェル塔子練」-
私「玉田くん、ごめん。パンツ迷惑」
玉田「・・・
」
私「森下くんには受けてたよ!太郎君にも受けてた!小麦も褒めてた!だけど迷惑」
玉田「・・・
」
私「パンツじゃないこと考えようか」
玉田「・・・
」
私「・・新しいパンツ買っておくね」
玉田「・・・
」
前置きが長くなりましたが、↑が『時計は生きている』のパンツ事情。
玉田君と小林君はまったく面識ありません。
え?
では、ボキャブラリーの少ない玉田君の泣く子も黙る爆弾演技プランを紹介して、小林くん紹介のエントリーで何が言いたかったのかと言うと、
エビさまの背後で誰かしらが脱ぐ率が高い
ということです。
プロ意識が高いエビさま、絶対に振り向きません。
太郎くんみたいに薄目を開けて盗み見して心の中で爆笑したり、森下君のように初めから降参して爆笑するなんて絶対にしない。
梨本坊っちゃんが何をしていたのか、公演が終わってDVD観賞会で観るまでは一切知らなかったエビさま。
そんなエビさま扮する「サミュエル」の背後で小林君扮する「俺様」が上半身裸になっても当然、
まったく動じません
梨本坊っちゃん事件を知らない小林君は励まされたのだと思います。
よし、この路線でいこう!もっとやってOKだ俺!
結果、「俺様」日に日に崩れていきました
「俺様」の潜在意識「メラノーマ(悪性のホクロ)」役との絡みでも、演じる加藤君(通称:カトゥー。小林くんの後輩。エントリー「世古新」をご参照ください)を容赦なくはたき、歌のシーンでは扉にもたれかかった登場でナルシスト全開。
私「そんなにはたいちゃカトゥーが可哀そうだよ
」
小林「うちのカトゥーは大丈夫です
」
カトゥー寝坊で遅刻の日。
私「どうしよう。カトゥーがいない数時間でこのシーン全部終わっちゃう」
小林「うちのカトゥーは大丈夫です
」
後輩には愛の鞭を容赦なくふるう小林くん。
武人会の名前にふさわしい武士道精神。
カトゥーもまんざらではない様子。
カトゥー「小林さん、ここのシーンで股間を触ってもイイですか?」
小林「イイよ
」
カトゥー、俺様の足に絡みついてネチネチ。しかも流し目。
私「・・カトゥー気持ち悪い」
小林「カトゥーお前やるなら遠慮しないでやれよ
」
・・えーと・・。 カトゥーのやつ、私が見る限り遠慮なんてしてませんでしたよ。
小林「もっとちゃんと触れよ
」
先輩、頼もしい。
小林「俺もお前のことちゃんとハタくからさっ
」
ん?
バシッ
カトゥ「・・・・」
私「それ痛いよ」
小林「痛くないでしょ
」
カトゥ「・・・大丈夫で・・す」
私「大丈夫じゃないよ」
小林「思い切りやったほうが逆に痛くないでしょ
」
カトゥ「思い切りやって頂いたほうが、痛くな・・い・・で・・す」
私「本当?」
小林「うちのカトゥは大丈夫です
」
いいえ。うちのカトゥ大丈夫じゃない。
私「頭はたくのはよしてあげて
」
小林「分かりました
」
あくまで爽やか
な小林くん。
うちのカトゥが慕うのも分かるなぁ。先輩みたいに何でも真剣にやらないとね![]()
本気で絡み、本気ではたく。
・・・・・・・・
シアター711の廊下で「はたき練」をしてた小林くんとカトゥ
エビさま「コントの練習をしてる芸人みたい・・。Tiptoeなのに・・・。フフフ・・・。」
小林くん、次はアングラ作品誘います!また一緒にやろうね![]()
