「なぁ、副井。動画制作は労働なのはわかったし、意外と人気がでないことはわかった。で、気になったんだが、動画編集能力があって、トーク力もあるような人材はやっていけると思うか?」

「まぁ、そこまであれば意外といけると思いますよ。とはいえ、テレビと同じことをしていても売れませんけど。」

「そうなるとだ。どういったジャンルをするのが良いんだ?やっぱり、穴場のジャンルのほうがいいか?」

 

「ちゃんとやっていけるジャンルが良いです。」

 

「ちゃんとやっていけるジャンル?」

「動画制作で一番大変なのは動画の企画です。手当たり次第な動画では、何がしたいのか視聴者に伝わりません。動画制作では数撃てば当たるというのはあてにならないのです。」

「色々やっても受ける受けないがはっきりしているのが動画の世界だもんなぁ・・・。ニコニコで流行ったものがyoutubeで流行らないのと同じように、その逆もまた然りなんだよなぁ。」

 

「特に無謀な挑戦をして動画制作を辞める人が後を絶ちません。」

 

「無謀な挑戦?」

「例えば、長時間生放送。一度やってしまうと、にわかなファンからも「次の長時間生放送はいつですか?」って期待されるのです。それが負担になって、そのままフェードアウトってのも多いです。」

「あぁ、初心者の時はやりがちな企画だよな。長時間しゃべるのってかなりきついんだよなぁ・・・。」

「ほぼタイピングで良いゆっくり実況やボイスロイド実況でも10分続けばすごいほうです。」

「誰もいないのに延々としゃべるってのも苦痛だよな。無名の時期は人もこないだろうし。」

 

「あと、ジャンルを確立しないといけません。」

 

「ジャンルを確立?」

「例えば「無人島生活」と言えばだれですか?」

「よゐこの二人だな。ナスDもいるけど、どっちかっていうとよゐこの二人が無人島生活をしている。」

「そうです。そんな風に、「この動画ならこの人」っていう風な状態に持っていかないと誰も見向きしてくれません。」

TRPGならニコライ・ボルコフ、改造ミニ四駆や改造ベイブレードならためにならないさんとかだな。」

「ボーカロイドのプロデューサーだと暴走Pとかですね。そんな風に特徴を作らないと誰も見つけてくれません。」

「見つけてくれないとは?」

youtubeがそうなんですが、基本的にユーザーはオススメを見ます。そのオススメはそのユーザーが検索し、閲覧した動画をもとに決められます。もっとも、試し視聴も履歴に入りますけど。」

「なるほど。検索した動画がオススメにでるから、ほかのジャンルの動画はオススメに出てこないのか。」

「そういうことです。ニコニコなら適当に新規動画とか、カテゴリーで検索できますが、youtubeは知らないジャンルの動画はまずでてきません。」

「投資で爆死した動画をよく見るが、なるほど、その系統の動画しかオススメに上がらないな。」

 

「とまぁ、ジャンルを確立することが大事です。」

 

「しかし、ジャンルには向き不向きがあるだろ?」

「当然あります。なので、動画制作の前に、まず自分のジャンルを試行錯誤するのが良いです。何でやっていきたいのか?何のジャンルなら続けられるか?それを考えないといけないのです。そのうえで、「期待の新人」にならないといけないのです。」

「明石家さんまでもゲーム実況は難しいもんなぁ。しゃべりすぎて全然進まず、ぶっちゃけゲームがないほうが面白い可能性は高い。さんまのファンが求めているのはそれじゃないってなるし。」

「そんな感じです。ちなみにバラエティのジャンルはまったくオススメしません。」

「ん?なんでだ?」

 

「Vtuberがクソ強いからです。」

 

「あぁ、Vtuberって基本なんでもやるよな。そういった意味ではバラエティっていうジャンルなのか。」

「しかも、可愛いやかっこいいは当然で、さらに個性が強すぎるのです。ギャンブル狂いもいるし、ヤクザの元組長もいます。少年院の先生をやっていた人もいたり、教育テレビを超える教養のある人もいます。」

「あぁ・・・確かに勝てないな・・・。」

「ほとんどホロライブなんですけどね。」

「ホロライブって本当になんでもいるよな。」

「ちなみにVtuberのリスナーさんたちもとんでもない人が多く、訓練されすぎているところもあるそうです。」

「いつの時代も本当のファンは訓練されているよな。ビートマリオが懐かしいぜ。」

 

「とまぁ、数撃てば当たるより、しっかりとジャンルを決めることを僕はオススメします。」

 

「そのジャンルを調べている人ならかなりの確率で動画を見るもんなぁ。ん?そうなると副井の動画もゲームだから見られているってことか?」

 

「僕のはゲームに対して固定のファンがいるので、その人たちが見ています。」

 

「それは心強いな。固定のファンだけで再生数が稼げそうだ。」

「実際、ボーカロイドのジャンルだと確実に100再生行きますよ。ニコニコ動画なら。」