「なぁ、副井。ネットショップって憧れるよな?」
「そうですね。自分だけのお城という意味でも、個人商店という理由でも、ネットショップは憧れます。」
「そうだよな。やっぱり、自分の力だけでやっていくネットショップってすごいよな。今ではネットショップを開くのは難しくない感じだ。古物商とかいろいろ資格はいるが、開設するのは難しくない。」

「難しいのはそのあとです。」

「あ、これも経験があるのか?」
「むしろ、おじさんがやろうとして、お兄さんに怒られたそうです。」
「なるほどなぁ。てか、お前の知識っておじさんが原因か?」
「半分はそうです。」
「おじさん、大変なんだな。」
「人と関わる仕事をしたくないだけです。最低限の関わりでやっていきたかったそうです。」
「おじさん、相当トラウマがあるんだろうなぁ・・・。」

「さて、ネットショップで何を売りますか?」

「いや、やろうとは思ってないが?しかし、ネットショップだから何か売るんだよな?何を売るかが重要なのか?」
「そうです。適当に色々売るというのは悪手です。ゲームと違ってしっかりとした計画がないと、売れないどころかそもそも銀行はお金を貸してくれません。」
「そっか、開業するってことはどうしてもお金がいるのか。で、借りる場所と言えば銀行なのか。その銀行を説得しないといけないのか。」
「もちろん、小学生の落書きでも貸してくれる銀行はあります。沖縄にその例があります。」
「月曜から夜更かしにあったな。1000万くらい借りたんだったか。」
「そのあと続けているのだからすごいです。で、ネットショップというのは開設しやすいんですが、続けるのは難しいのです。」
「なるほど、それが何を売るか?ってことにつながるんだな。」
「何を強みにしてやっていくか。雑貨屋でさえ雑貨というジャンルの商品を取り扱います。下手に機械とか扱わないのです。まんべんなくというのは器用貧乏になりやすい。だから、多くのお店はほぼ専門店をやっているのです。」
「カードショップならカード。家電量販店なら家電って具合にか。確かに適当にあれやこれややっているお店より、専門店のほうが信頼があるな。」

「そのうえで、大手に勝たないといけないのです。」

「大手?」
「アマゾン、楽天市場、yahooショッピングといった大手マーケットです。今はメルカリみたいなフリマアプリもありますね。」
「そっか!ネットショップはいわば通信販売。通信販売の大手がライバル企業になるのか!」
「そういうことです。なので、生半可な商品では「それ、アマゾンでOK」ってなるのです。」
「アマゾンとか楽天市場ってなんでもかんでもそろえているぞ!?神棚だってある。」
「それで言ったら800万円の仏像もありすし、100万円のコンテナハウスだってアマゾンで手に入ります。」
「誰が買うんだよそれ!?」

「ここまでのやつとやりあうのがネットショッピングです。」

「予想以上にやべーのとやりあうことになるんだな・・・。」
「また、通信販売を利用しない人がいたとしても、それならそれで店舗に行ってそこで買うのです。」
「あぁ、そうか。家電なら家電量販店、本なら本屋、ボードゲームならボードゲームショップとかだな。下手に通信販売を使うより、そういうところで買い物するほうがお得だし、信頼できる。」
「なので、自分のネットショップを利用してくれる理由が必要なのです。しかし、普通の理由やまともな理由では「今あるお店で十分」なのです。」
「まじで大変だな・・・。」
「しかも、通信販売で売られていないものは存在しないと言っても過言ではないと言われるくらい通信販売の商品は多いです。」
「本当にまともな理由では勝てないな・・・。」

「100%勝てる試合でなければまず勝てません」

「1%でも隙があれば、大手はそこを突いてくる。そこを突かれて崩れるなら、そもそも勝てないのか。」
「そういうことです。ゲームと違って明確な商機がないので、本当に難しいのです。」
「お店を出して食べていけるってのは、相当な運の持ち主や、しっかりと100%勝てる戦いを編み出したやつだけなんだな。」

「・・・僕も自分のお城が欲しかった・・・。」

「100%勝てる試合ができない俺たちは、ゲームで疑似的にお店を運営するしかないな・・・。」
 なお、ネットショップも古物商などの認可が必要です。一応、お店なので。
 また、メルカリで売る場合、それなりの頻度で売っていると商売とみられます。フリマアプリはあくまでも不用品を売る場所なので、不用品販売ではないと判断された場合、どんな理由であれ古物商が必要になります。もし、古物商の認可がなければ、普通に捕まります。納税の義務も発生し、税務署の人がやってきます。その際、誘導尋問で追加徴税を取られます。税務署の人はすべてわかったうえであえて聞いてきます。そして追加徴税を取ります。