「(さて、今回も副井に話を聞きに行くぜ。あいつの解説はなんかゆっくり解説とかずんだもん解説みたいなんだよな。あと、スタグフレーションって「不況なのにインフレが起きている」という状態のことだそうだ。間違ってないけど、微妙に違ったな。まぁ、そこらへんはまだ若いからだろうな。)」
「星5ゲット。こういう時、給与が良いところに就職できてよかったと思うよ。」
「よう、副井。副井ってゲーム好きだよな。」
「大好きです。ゲーム歴=ほぼ人生です。」
「昔からやっているんだな。そういえば、副井的にはeスポーツってどうなんだ?何か思うところはあるか?」
「ゲームも世間に認められてきたんだなぁって思います。昔は「勉強もろくにできない頭の悪い不良が遊ぶもの」ってイメージだったそうですよ。」
「あぁ、俺の前の世代の人間がよく言っているな。ゲームってそんなに簡単なものじゃないのにな。」
「簡単なものじゃないってのには僕は否定的です。ゲームは誰でもできる世界で一番平等な遊びです。実際、文字が読めなくても、体が欠損していてもゲームはできます。世の中には目が見えない人でもゲームしていたりします。」
「ナルトのゲームをしていたんだったな、その人。演出で付け加えた足音や空気音が、その人にとっては生命線になるとははぁ・・・。」
「ボードゲームやTRPGの現場では知的障害者やアルツハイマーの人も来るそうですよ。」
「それ、ゲームできるの?」
「ゆっくりやっていけばなんとかなるそうです。」
「現場はすごいなぁ・・・。」
「さて、eスポーツは難しいという話をしましょう。」
「いきなりスイッチ入るなよ・・・。で、eスポーツってどう難しいんだ?ゲームがうまければいけないこともないだろ?」
「先ほども言いましたけど、世界で一番平等な世界なのです。「勉強もろくにできない頭の悪い不良が遊ぶもの」ということは裏を返せばそんな人でも遊べるということです。実際、障害者や欠損している人、文字が読めない人、目が見えない人、考えうる限りの人たちの誰もがゲームを遊ぶことができます。」
「そう考えるとすごいことだよなぁ。」
「なので、世界の全員がライバルなのです。その中にはゲームに特化した人も多いし、ゲームに人生をかけている人も多いです。才能と努力が伴った超越者も多いです。困ったことにそいつらがランク外ということが多いです。テニスで言うところのジョコビッチが素人と言われる世界です。」
「それは言い過ぎじゃないか?」
「テトリスのエンドレスで何点出せますか?」
「え?最高10万点くらいかな?」
「僕は680万点です。3時間かかりました。」
「文字通り桁が違う!!」
「ちなみにテトリスは過去のものほど難しいので、ゲームボーイのテトリスでは15万点です。素人では5万点突破するのも難しいです。」
「テトリスってそこまでやりこむものか?」
「楽しいから仕方がないです。で、僕でもまったく勝てない世界なのです。テトリス99だとまだテト1出せてません。最高2位です。」
「eスポーツの世界ってすごいんだな・・・。」
「なのでみんな、兼業で動画配信者になります。」
「なるほど、ゲーム実況か。」
「eスポーツの定義があいまいですが、「ゲームによって金銭を得ている」という定義では、youtuberなどの動画配信者や、テレビ局の企画でゲームをするというのもeスポーツになります。ここでは人気さえ出ればかなり稼げますので、みんな兼業でやります。」
「兼業・・・。メインになる職業があるんだな。」
「専業で食べていくのは大谷翔平を超えるより難しい。」
「・・・そんなに難しいのか?」
「前にも話ましたが、再生数は編集量に比例しません。また、動画は人気商売です。人気があれば再生数やいいね数は稼げますが、人気がなくなればそれまでです。」
「なんかお笑い芸人みたいだな。」
「まぁ、似たようなもんです。多くのゲーム実況者が名をはせましたが、今では見る影もありません。ゲーム実況の先駆者と言われた永井先生でさえ、今は乞食です。唯一、よゐこは任天堂から案件をもらったり、有野に関して言えばゲームセンターCXがあって活動的です。よゐこの〇〇で〇〇生活です。」
「あれ面白いよな。へたくそなんだけど、全体的に安心してみていられる。」
「ちなみにeスポーツ専攻がある専門学校に入る生徒のうち、ゲーム実況者でやっていけるのは0.1%だそうなので、学年100人だと1000人に1人です。約10年に1人の割合です。ほとんどは動画制作の裏方で就職するそうです。」
「eスポーツ専門学校は話題になったよな。しかし、みんな裏方に回るんだな。」
「ちなみに、入った人のほとんどが回りのレベルに絶望するそうです。やる気のない学生が多すぎて、Fラン大学のような環境なんだそうです。やる気ある人はこの時点ですでにある程度実績を持っていたり、人とは違う才能を持っているそうです。その人たちはゲームのレベルもとんでもなく高く、そこでも絶望するそうです。」
「副井を超えるレベルの人がいたら、そりゃぁ、絶望するわな。」
「そもそも、ゲームできる人が大量にいる世界でやっていくには、ゲーム以外のスキルが必要です。しかし、ゲームができる人はそのスキルを持っていることが多いので、やっぱり専業は難しいのです。よゐこはへたくそですが、たまに魅せるプレイをすることがありますし、トークスキルは頭一つ抜けています。おっさん二人が何かしているだけの動画で毎回数十万回再生を稼いでいます。」
「よゐこチャンネルは面白いよな。今、休止中だけど。」
「有野のダークサイドチャンネルは別チャンネルで運営するそうです。」
「なるほど、そっち見るか。」
「とまぁ、お笑い芸人でもネタ以外のスキルがないと売れないように、eスポーツでやっていくにもゲーム以外のスキルが必要です。」
「なるほどなぁ。eスポーツって言うほど簡単じゃないのか。子供たちは遊んで暮らせると思っているようだけど、そんな簡単なもんじゃないのか。」
「ちなみに、eスポーツで一番必要なスキルは英語の会話です。」
「英語!?」
「そもそもな話、日本で賞金の出るゲームの大会はMTGの大規模大会だけです。シャドウバースはお金出たと思いますが、少なからず日本は法律で「遊戯による金銭のやり取りは禁止」なので、ゲームの大会で賞金を出すのも禁止なのです。それがeスポーツが流行らない原因です。」
「そういえばそうか。海外にしか賞金制の大会はないのか・・・。」
「なので、英語は必須です。ちなみにMTGの大会でも英語は必須です。現地にいる解説者は外国人が多く英語でインタビューしてきます。徹夜明けに英語を聞かされるのはつらいと日本の解説者も言っていました。」
「たぶん、日本だと日本人なんだろうけどな。いやはや、eスポーツも大変だな。」
「ちなみに僕もさっきの定義で言うとeスポーツでお金を稼いでいます。」
「お?成功体験かな?って、前に言っていた動画制作か。」
「月150円。」
「ここまで聞くと、その150円がすごい金額に思えるな・・・。」