パソコンができる人、というのはいろんな会社が欲しがる人材だ。オフィスソフトや編集ソフト、各種アプリケーションができるような人を求める。大体は資格、検定の欄に書かれていることを素直に見る。検定の2級を1つでも取っておくと、パソコンができると言われ始める。

 しかし、実際に検定を取ったからと言って、そいつが本当にできるかというと、微妙なところである。少なくとも検定に示されたソフトはしっかりと扱えるだろう。しかし、検定というのはあまり珍しいものではない。パソコンがそこまで出来なくても、持っている人は多い。

 

 実際にパソコンができるやつってのは、OS、グラフィックボードを答えられるやつだ。OSっていうのはオペレーティングシステムのことで、windowsMACLINXなんかのことだ。パソコンがどういう動きをするかのプログラムのことだ。

 グラフィックボードというのは、オンラインゲームでよく使うパーツで、ここを通して出力された映像は綺麗だったり、3D描写がしっかりと出来ていたりする。オンラインゲームをしない場合はいらないので、家電量販店では外されて売られている。

 

 さて、OSとグラフィックボードが答えられるからなんだという話だが、実際にお前はそれを答えられるのか?パソコンに詳しくないやつほど答えられない。パソコンなんてどれも一緒と思っているやつはパソコンのスペックを調べようとしない。だから、OSが何なのか分からないし、グラフィックボードの存在を知らない。

 逆にパソコンに詳しいやつは自分の持っているパソコンのスペックを知っている。知っていなければ使えないアプリケーションは多いからだ。特にゲームなんかは、最低スペックというのが存在する。なので、パソコンを買うときも、そのスペックを気にする。

 この質問をして、注意すべきはグラフィックボードを積んでいない場合の画像描画装置の言い方だ。家電量販店のPCブースのスペックにはCPU内臓と書かれているが、パソコンに詳しい人は「オンボード」という言葉を使う。「基盤から直接使っている」という意味だ。とはいえ、逆に「グラフィックボードは使っていない」と答えたとしても、それはそれで詳しい人かもしれない。

 

「何かお探しですか?」

 

 とある家電量販店。僕はパソコンの相場を見ていた。その過程でつい妄想にふける癖がある。もし聞かれたときに答えられるように。

「いや、見ていただけです。」

「そうですか、何かあれば声をおかけください。」

 とはいえ、そんなオタク特有の早口知識披露なんてしない。なので、いつもは適当にあしらっている。口に出して語りたいが、流石に理解できないだろう。オタクの知識はウザイからな。

 家電量販店の接客は昔より緩やかになった。昔は目を合わせるだけでシュバババとやってきていた。それどころか、後ろから声を掛けてくることも多かった。流石に苦情が殺到したのか、現在ではそんな接客はやらない。言えばこんな風にすぐに去ってくれる。

 

 ・・・パソコンを見ていて思うのだが、こんな高いものを誰が買うのだろうか?家電量販店のパソコンは全部ノートパソコン。ノートパソコンだから高いというのはあるが、それにしたって限度がある。

 高すぎるように思えるのだ。15万、16万、17万・・・。グラフィックボードもついていないようなパソコン、つまり、ほぼゲームができないパソコンがこの値段なのだ。少なくとも、オンラインゲームをするには適性がない。いくらCPUが高性能でも、3D描画が間に合わない。バトルフィールドで経験済みだ。

 家電量販店、とくに某大手の家電量販店では、ゲーミングPCが置いてある。そこのゲーミングPCは、ノートパソコンだが、安い物だと15万から17万。高い物だと青天井だが、少なくともゲームがほぼできないパソコンと同じ値段で、オンラインゲームができるパソコンが買える。微妙に重たいのと大きいのがネックだが、同じ値段ならゲーミングPCを買うと思うのは僕だけだろうか?

 

 ウィンドウショッピングも終え、原付で帰路につく。親がパソコンを買う場合、どういうパソコンを買うかということを考えながらパソコンを見ていたが、過去世代のパソコンは昔7万で手に入ったものだが、今は過去のパソコンでも15万だ。そんなパソコンを、まったく使わない人に渡すわけにはいかない。宝の持ち腐れだ。

 やっぱりタブレットが一番かもしれないな。それなりのスペックがあればゲームはできるし、お値段も5万、6万だ。wi-fiにつなぐ必要があるが、ノートパソコンと変わらない。そうなると、近くの家電量販店になるか・・・。5%現金値引きしてくれるカードあるし。

 

 ちなみに、僕のお古を渡すことも考えなかったことはない。しかし、デスクトップパソコンがメインだし、現在のサブのノートパソコンは現役だ。win10のパソコンがあるが、セキュリティソフトも入っていないし、win10は来年でサポートが終了する。そんなパソコンよりも新規のパソコンのほうが良い。そう思って、渡すことはできなかった。

 

 今後もパソコンの値段を調べることになりそうだ。