今日は黒崎ヒナとしての配信日。今回は最近話題のボックスフィールドをやっていく。生前世界のコンシューマーハードのごった煮と称されるボックスフィールドはシリーズ累計2000万本という大記録を達成している。

 異世界転生者にとっては、全部どこかで見たことがあるというゲームで、常にアップデートが繰り返されている。さすがの任〇堂もデ〇ズニーも、異世界に来てまで文句は言えない。そこらへんは異世界。最初にやったもん勝ちなのだ。

 とはいえ、評議会によっていくつかルールは作られている。ゲームの発展のためには独占はよくないという方針のもと、基本的に評議会主体のパブリックドメインになるのもその一つ。評議会としてはゲーム、漫画、同人、小説といった創作物は保護するものであり、みんなで共有するものであるとしている。

 もっとも、現在のぶらっくうっどのゲーム会社はお互い、心の友と書いて「しんゆう」というくらい仲良しで、技術交換、コラボ、合併をバンバンやっていっている。

 最近だと、シティーズスカイラインにゴッドイーターを加えたようなゲームが開発された。普段はシミュレーションゲームだが、依頼を受けた際は自分が作った街を舞台にアクションゲームが繰り広げられる。もちろん、建物は破壊できるし、いっぱい破壊される。

『ピピ美です。』

『ポプ子です。』

『『ポプテピピ〇クです。』』

『やめなさいよ!』

 今回の配信はピピ美とポプ子もいる。もともと、ポプ〇ピピックが好きな二人が、改名の際に使い始めたのがきっかけらしい。

『さて、今回からボックスフィールドをマルチでやっていくよ。異世界転生者にはなじみ深い要素が多いんだってね。』

『生前の世界だと大問題に発展するくらいには既視感の塊だ。』

『生前の世界はパクリにうるさいからな。そんなこと言ったらRPGなんてD&Dのパクリじゃねーか。』

『でぃーあんどでぃー?』

『ポプ子。ヒナはまだ雛鳥だ。今度、アナログゲームショップへ連れて行こう。』

 さて、ボックスフィールドを始める。オープンワールドの世界を冒険していく。装備とかは現地調達らしい。

 ふと、鶏を見つけたポプ子が叫ぶ。

『お、からあげくんだ。焼いて喰っちまおう。』

『え!?』

 かわいい見た目の鶏に対して、やっぱり食べるんだなぁと思いつつもアカネは驚いた。

『ヒナ、これはそういうゲームだ。生きるためにはポ〇モンを食べなければいけない。こっちも命がかかっているんだ。あと、こいつはおいしいらしい。』

『野蛮な世界だなぁ・・・。』

『そういうところが嫌いな人には受けが悪いんだ。このゲーム、こいつらに重労働させられるしな。普通に萌えっこモンスターのようにモンスターをかわいがりたい層には本当に受けが悪い。』

 冷静にピピ美がアカネを諭す。しかし、ピピ美も鶏を思いっきり倒している。

 郷に入っては郷に従え。それはゲームの中でも同じ。ボックスフィールドの世界が野蛮な世界だとしても、ゲームをプレイしている間はその野蛮な世界にいるのだ。