アレ、
知ってますよね?
赤い髪のおさげがトレードマークの女の子。カナダ🇨🇦東部、Prince Edward Island (プリンス エドワード アイランド)を舞台にした物語。
数年前には朝ドラにもその名が使われた、
そうです、赤毛のアン です。
トロントのホテルでバーテンダーしています。
先日バーに座られたお客さまに「どこの出身?」と聞かれたので「日本です」答えたら
「赤毛のアン、ね!赤毛のアン好きでしょ?」
と嬉しそうに言われました。
聞けばこの方、プリンス エドワード アイランドの隣州、大西洋を挟んだ大陸半島側のノヴァスコシア州出身。地元で会うアジア系の女の子、特に日本人のほとんどが「赤毛のアン、赤毛のアン」と連呼するのだとか。
空想好きで正義感が強く、親友思いの少女、アン・シャーリー。のちに優秀なギルバートと結婚して、仕事に恋に家庭に大活躍します。
思えば、まだ夢多き乙女の頃。人生はまだフワフワと頼りなく、まだ見ぬ外国の風景に心躍らせていた頃。
多感なわたしも図書館で借りて読みふけった「赤毛のアン・シリーズ」。
「アンの青春」とか「アンの愛情」とかありましたよね。
美しいプリンスエドワードの自然とともに綴られるこれらの物語。間違いなく、女の子の永遠のバイブル💖に違いありません。
そういう懐かしい思いにとらわれながら、お客さまと会話していたのですが
たまたま通りかかった台湾出身のウェイトレス、ジョイス(23歳)に
「君も赤毛のアン知ってるよね?プリンスエドワードに行ったことあるかい?」
とお客さまが声を掛けました。
このお客さま、絵に描いたようなステレオタイプというのか、アジア系の女の子は全員「赤毛のアン」ファンと信じて疑わない。
「何?知らないわ」
とそっけない返事をもらったので
「ウソだ!」となりました。
アジア系うんぬんはともかく、この名作を知らない? しかもカナダに住んでいるのに知らない⁇
で、わたしも当然「ウソだ!」となりますよね。

「ほら、赤毛の!孤児で!プリンスエドワードアイランドの!」
「養子に出されて!引き取ったのは姉弟で、ほんとは男の子がよくて…」
お客さまと2人、一生懸命に説明したのに「分からない」って、つれない
ちょうど通りかかった韓国出身のクララ(21歳)、にも
「赤毛のアン?聞いたことある気はするけれど」と言われ
アジア系の女の子たちが全員、『赤毛のアン』を青春のバイブルにしているわけではない、という現実に(私ばかりではなくお客さまも)初めて直面したわけです。
後日、仙台出身で若干20歳のワーホリちゃんと会う機会があったので
「赤毛のアンに憧れてカナダに来ちゃうのは、日本の女の子だけなんだねー」
と言ったら
「えー、なんですかぁ、赤毛のアン? 朝ドラ? だからって、いまどきプリンスエドワードなんて行きませんよぉ。行くならフロリダでしょー!ラブ❤️ミッキー!」
と断言され
そうか。お国の違いではなく世代の違い。
最近の女の子たちは、プリンス エドワード アイランドで夢は見ない。
夢を見るのはディズニーランド。
想像力豊かなアンは色々なものに名前をつけます。「恋人の小径」や「おばけの森」とか。あやかって、こういうのはどうでしょう?
Spring Dawn ( 春の夜明け)
Vodka, Cane Syrup, Lemon Juice, Soda
Raspberry Coulis
ウォッカベースのカクテルにラズベリーのピュレを落として。
アンは、『(木)いちご水』についてこう語ります。
"あたし、赤い色の飲み物って大好きよ。他のどの色よりも、美味しい味がするわ"
『赤毛のアン』 村岡花子 訳
