どこかへ旅行に出かけたり、一時帰省するときなど、その時の気分で読みたいと思った本を本棚から取り出したり、新しく本屋さんで購入などして、その滞在中に読むようにしています。
今回の中国お茶畑の旅には、この本をお供にしました
本のタイトルが気になって購入した1冊ですが、この作者のドミニック・ローホーさんは、かなり有名な方だったらしいのですが、私は存じ上げずただタイトルで選びました。上海に16年も在住していると、完全に日本の情報が浦島太郎状態になっております
上海生活、急成長を遂げていく上海を見続けてきたのですが、何となく飽和状態になっている自分を感じていました。
原点に立ち戻り、シンプルな生活を送りたいと思っている私にとって、この1冊は胸に響く内容でした。
特に、道教の話や、中国茶の聖人と言われている陸羽や中国茶に関する節は、私がここ最近触れてきた分野でもあり、偶然に手に取った本の中で紹介されていて嬉しく感じました
静かに伝統的な音楽が流れる中、
小さいな器で中国茶をひとりで、または愛する人と一緒に飲んでいると、
昔の淡々とした日々が郷愁とともに蘇ってくる。
すると都市生活のわずらわしさを忘れられるのだ
ーパリ・ギメ美術館『1000年の歴史を持つ飲み物ー茶』
私は気ままに生きる、
御殿に私の欲しいものは何もない。
垂れ幕を引き、土間を清め、日中私は香を焚く。
これこそが私の贅沢。
ー陸羽、中国唐時代の文筆家
この農村の暮らしは、ボロボロの小屋での生活ですが、
ここでしか得られない贅沢な生活があります。
蚊帳の寝室に差し込む朝の光
ドアを開けると、目の前に青々と伸びる竹
キラキラ輝く昼時
夕暮れ時の郷愁
遠くの峰の深いブルー
裸電球の灯が頼りの、静まりかえった夜の道
どれもが、この本の中でドミニクさんが言っている、
魂を満たす小さな暮らし方のメソッドなのかもしれません