中国茶の教室に通って1年半が過ぎました。
寡黙で、若いのに厳しくもある龚先生のお茶の授業は、お茶だけではなくて、中国の文化や芸術の話に広がるところが特徴です。
私も、中国茶の勉強を始めたいと思い、日系、中国系の教室といくつか聞いたり見たりしてきたのですが、この先生に学びたい!と思った一番の理由は、お茶から繋がっていく文化の話がとても興味深かったことと、先生の授業でまとめられたPPTの教材がとても美しくて、
中国茶を飲みながら、その画像を眺めているだけで、とても贅沢な豊かな気持ちになるからです。
そんな先生は今日の授業でも熱く語ります。
清代の書家、鄭板橋が書いた有名な詩です。
この個性的な書。力強く安定感があり、そしてどこか繊細で美しいバランスに
一目で魅了されてしまいます
美しい書、絵画を眺めて、美しいとシェアできる時間
美味しいお茶を飲んで、美味しいとシェアできる時間
怠け者の私にとっては、ひたすらのんびりできるこの時間は
とても贅沢で豊かな時間なのです。
高級エステや海外旅行に行かなくても、1時間半のお茶の授業で得られるなんて
なんてお得なんでしょう
さて、その詩の意味なのですが
(原文) (意訳)
題 難得糊塗 おバカさんになることは難しい
聡明難 聡明になることは難しい
糊塗難 おバカさんになることは難しい
由聡明転入糊塗更難 聡明からおバカさんに切替えることは更に難しい
放一着 一歩踏込んで
退一歩 一歩退いて
当下心安 心を静かにさせ
非図後来福報也 恩恵に関わらず、自分の原則に忠実であること
「糊塗」は「おバカさん」です。「聡明」の反対が「糊塗」です。
先生曰く、この有名な詩は、中国人で少し教養のある方なら誰でも知っているはずだということ。
正直、私にとっては意味がふかーくて、その言葉のイメージとして感じるしかないのですが
人によって自分の行動がおバカに見えたり、また聡明に見えたり
また、
ある事については、聡明な方法よりもおバカな方法の方がうまくいくこともある
要は、
周りの評価や恩恵を意識するばかりでなく、自分の心に正直に、自分の原則に従い
時にはおバカに見られたっていいという、心の余裕というか、遊び心が大事と言っているのかと
私は理解しましたが、、中国のサイトでもその解釈はいろいろあるようで
流石に意味深ーい詩です☆
フル装備で完璧な正義論で戦う人より
ちょっと間抜けな感じの人の方が確かに話しやすいし、大人の余裕を感じますよね
少し話が逸れますが、陰陽5行の話でいくと
木火土金水のタイプで性格を分けると
火と金のタイプの人は、正義で戦うタイプになります。
パワーがあって華やかで、確かにリーダーになる人が多いのもこのタイプの人達ですが
自分の正義と違うと思うことには、耳を傾けず、戦おうとしてしまいます。
陰陽5行の教えは、基本的にはバランスを保つことを大事とするのですが
火や金が強すぎる人は、その効果を抑えるための水が大切になります。
水は、人とのコミュニケーションだったり、柔軟性を示します
この中国の詩の奥深い意味には、そんなある一定の側面からだけで判断したり行動したりするばかりではなく、見方によっては、180度違う考えもある。そのバランスが大事だと言っているようにも感じました。
明日から新しい1週間がまた始まります。
新しいプロジェクトも立ち上がり、どうしても肩に力が入ってしまいますが
時にはおバカさんに見られたっていいと、自分の中で、遊び心を大切にする余裕だけは
持っておきたいものです
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