中国緑茶
太平猴魁 タイヘイコウカイ
種類の多い中国茶、毎回その品種を覚えるだけでも大変です
新しい茶葉を習う毎に、覚えたはずのお茶については忘れてしまっているような、、
印象深いお茶については、確かにずっと覚えているのですが、、、
人との出会いとも似ていますよね。
ということで、最近は新しいお茶を習う時は、勝手に私の頭の中で友人を思い出したりしております。
見た目は地味でも、奥深さがあるとか、色白で繊細な感じとか、
そうやって人の性格にも例えながら覚えたりするのも面白いものです。
今週のレッスンは、中国緑茶の「太平猴魁 タイヘイコウカイ」でした。
1900年代初めに黄山一帯の茶区で作られたお茶で、現在は中国の安徽省、黄山市で生産されています。清朝の頃より最も高級な中国茶の一つとして知られています。見た目にも楽しいこのお茶は、熱狂的なファンが多い事でも知られていて、安徽省を代表する銘茶です。
1915年のパナマ太平洋万博で金賞を受賞し、世界的な評価を受けるようになりました。
飲み方
ロングガラスのコップに入れて飲みます。お湯を注ぐと鮮やかなグリーンの大きな茶葉が美しく開きます。
名前からして、とても個性的。
茶葉は細長くて、色鮮やかなグリーンがとても目立ちます
見た目は派手なため、強い味わいかなと思いきや、
龍井茶よりも、薄くてさっぱりとしていて上品。ほのかな甘みが広がります
個性的な野性的な形状からは想像できない繊細さで、多くの人に愛されるのも納得。
このお茶を口に含めながら、海外40カ国も一人旅をしたことがあるという、友人を思い出しました
関西出身の彼女は、値引き交渉は中国人にも負けません。
おしゃべりも上手で友達も多くて、いつも目立つ存在です。
その個性的なファッションも本人に似合っていて、こだわりを持ってオシャレを楽しんでいます。
そして、実は繊細な優しさで、仲間の配慮をいつもしてくれているのです
ぴったりの配役が決まった感じで内心 嬉しい。これで、この茶葉を覚えたぞっ
この日は、「芽毛茶」も試しました。
同じ中国緑茶ではあるのですが、先生曰く「このお茶は本当に見た目だけを楽しむお茶だから」
と言って、目で鑑賞して楽しみます。
淹れ方に一工夫されていて、ロンググラスに茶葉を入れて、ちょっと高い位置から、ポットを三回上下に動かしながらお湯を注いでいきます。これは、小さな茶葉をお湯の動きによってぐるぐるとグラスの中で回転させることでより香りが出て、小さな茶葉の動きを目でも楽しむことができるからだそうです。
見た目が綺麗だという、大事な役割を果たすだけの茶葉というのがあるんだよと
嬉しそうに鑑賞して終わりでした。
う~む。この2種類をあえて同じ日に持ってきた先生の意図に何とも言えない気持ちになりました。
それでも人の感じ方は異なるかもしれないと、お願いして一口飲んでみることに、、、
うう、苦みがきつくて、香りもなくて、やっぱり続けて飲みたくない
だから鑑賞用といったでしょうと、先生そんな得意顔で言われても、、、
この茶葉は水面に縦に浮かんでいて、時間とともに底に沈んでいく。
沈んでいくばかりかと思いきや、いったん沈んでいた茶葉がまた上がってきたりもして
人の動きをみているようで、ただただ眺めているだけで興味深いものがある。
だから、このお茶は鑑賞するだけで充分楽しませてくれるんだよということ。
見ているだけで楽しいなんて、小さな子供のよう
茶葉も小さくて丸みがあってかわいい。
このお茶は、天真爛漫に動き回っている童茶とさせていただくことにします