初め、私が配属されたのは、ガソリンスタンドでした。


私は農協に勤めたのです。


農協にも配属される部門が沢山あるため、私はそのうちの燃料課になりました。


配属先のマネージャーはとてもいい人で、気さくに話し掛けてくれて笑わせてくれる、気遣いのいい人でした。


他には整備士免許を持つ人、わたしより一つ上のパートの人、喉に手術をした灯油配送が主の人、そして、女性が一人いました。


私は配属されてから、打ち解けるまで時間がかかりませんでした。


というのも、高校生の時から、仕事と友達との付き合いと区別してきたので、職場ではこうするという自分の中のマニュアルがあったんです。


明るく、元気よく、分からない事は必ず聞いて、任されたことは最後までやる。
意欲的に仕事に取り組み、自ら勉強する。
この培ったバイト先での肥やしが役に立ったのです。



数カ月たって、パートの一つ年上の男性『かっつぁん』という愛称の子と初めてスロットに行きました。


その頃は、北斗、吉宗の全盛期でした。


私は全くやり方がわからず、かっつぁんに言われるがままにやってみたのですが、『目押し』ができず、中々揃えられずにいました。



かっつぁんは言葉にトゲやクールなものの、面倒見のいい、見た目も今時の『イケメン』という奴でした。



私には当時高校から付き合っている彼がいましたし、かっつぁんも勿論私なんて圏外だったとおもいます。



一度、飲み会があって、その時、かっつぁんの家にお邪魔したことがありました。


それほどプライベートでも仲良かったのです。


その時、アニマックスをみせてくれて、私はずっと熱中していました。


その時、かっつぁんが頭を軽く撫でてくれたのを覚えています。


なんで撫でてくれたのかは今でも分かりません。


そしてこれからも。


一生。私が死んだら分かるかも知れません。


『かっつぁん』は去年の夏、職場の近くの公園の駐車場で、愛車のinfinityの下敷きになって亡くなってしまいました。


車が好きな彼はジャッキアップをして下に潜っていたのかもしれません。でもそんなヘマするように思えなくて今に至ります。


今でも優しくてカッコイイかっつぁんは私の心の中にいます。


彼が居たから、私は大変な仕事も頑張ってこれたんだとおもいます。


ありがとう。


かっつぁん。