朝、私が寝ている所に、知らない人が私の上をまたいで何か話していました。


『え?どうしよう、誘拐?』



話しているのは、私の母。


なんだ、誘拐じゃないかと思った瞬間、じゃあ誰とかもう一度みると、背中に引っ越し屋の名を背負っていました。



『お母さんどういうこと?』


と困り果てている母にきくと、


『おばあちゃん、勝手に引っ越し屋頼んでお金まで支払ったらしいの。だから実家に連れ戻されるんだよ…。』



私は呆気にとられました。


何故。


あの家にいったらまた毎日毎日お母さんの悪口聞かされて、あたしはお父さんに似てるから差別までされて、また拷問だ。


私は必死に抵抗しました。


『用意もなんもしてないのに、ヤダ!』


母は、荷造りしながら、


『しょうがないじゃないの…。またなんかしたらキチガイの剣幕、また言われるよ…。』


諦める母を見て、また私は絶望しました。


実家には二軒家がたっていて、今度は、離れにすむことになりました。しかし、同じ敷地内。


祖母は毎日朝晩、
ガンガン!
と戸を叩いては家に入り、また小言の連続でした。


そしてまた、母は家に帰らなくなってきました。


当時私は高校生で、大学進学か、就職か悩んでいましたが、ずっと小学生からの夢で、勉強を頑張って来ました。



なので、私は夢を叶えるべく、大学にいきたいが為に、高校一年からずっとバイトをしてお金を全額母に渡して来ました。


そして進路提出で、母に話していた時、祖母がやってきて、こういいました。
『女が大学いったって結婚しりゃ意味ないわ。やめろ!金なんかださねーぞ!』


母も、『お金ないし、あきらめて就職しなさい。』


と片付けられてしまいました。



学校の先生にも、
『家族がそれならしかたないな』と言われ、絶望の淵に落とされました。

私は夢を失ったのです。


就職。


するならでかい難しい所にしてやる。


そうおもい、就職先を選び、見事内定しました。


この就職先が後に裏切りの場所、そして私の精神病をまた引き出す原因になりました。



夢をあきらめたくなかったがために、決めた就職先。



母や祖母への憎悪は次第に強くなりました。


母には、バイト料も全額パチンコに使われ、毎月携帯代が高いと文句を言われ、祖母には『太った、醜い、恥さらし』と言われ、恨みに怨みました。