若林 正恭さんの著書、『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』を読みました!




何の前知識もなく、小説だと思っていたのですが、旅エッセイでございました!
しかし、これまでに読んだ旅エッセイとは少し趣が異なる空気が漂っていたように感じました。



ご存じ、お笑いコンビ・オードリーの若林 正恭さんでいらっしゃいます。
やかましかったり騒がしかったりするわけでもなく、的確でシュールなツッコミ。
芸人さんでいらっしゃるのに、「底無しに明るい!」というわけではなく、むしろいつも陰を伴っていらっしゃるような。

そんな若林さんの綴られる文章は、難しい内容もありましたが基本的には読みやすく、どこかシンパシーを感じる文章でした。
ワタクシも「ネアカ」とは程遠い場所にいる人間なので、そのあたり、何か通じるものがあるのかも!



旅の舞台はキューバ。
ワタクシ、国内外に関わらず旅は好きなのですが(しかしあまり行けず。パスポートも切れてるし!)、キューバは行きたいと思ったこともなかったなー。
例えば懸賞で当たったとか、どなたかが連れて行って下さる、なんて機会でもない限り、恐らく今後も訪れることはないんじゃないかな。

キューバといえばチェ・ゲバラ、くらいの知識(それも名前くらい)しか持ち合わせておりませんが、その上ワタクシにとってのゲバラとは、「実家のお向かいのお宅のネコちゃんの名前」だったりします(^-^;

若林さんにとって、この旅はただの観光旅行ではなく、キューバの人や街、歴史を通して今の日本の社会と向き合う時間となったようです。

帯にも書いてあるのですが、ただの旅エッセイではありません。
資本主義・新自由主義と呼ばれる競争社会で生きていくこと、また、大切な人への想いを見つめ、考える数日間の出来事や心情が、個性的・文学的に綴られていました。



やはり自分の知らないことを見るのは、とても刺激的で大切なことなのでしょう。
その大小・内外、以降役に立つか・為になるかに関わらず、実際に見て、何かを感じること自体が、とてもかけがえのない経験なんだなと。
 
距離やタイミング、もちろん費用等といった都合はそれぞれにあるのですが…。
ワタクシもできるだけフットワーク軽く、色んなものを見られたらいいな、と思いました。