「日本人が世界を救う」
「東の国、日本人から救世主が現れる」
という言説が、都市伝説のごとく、
というか都市伝説的に、
まことしやかに広がっております。
こう言うことを聞くと、
それだけで日本人としてのアイデンティティ(存在意義)や、
自尊心が満たされますね。
だって、
日本人が、
「特別な存在」
ですから。
あなたも特別な存在として、
特別じゃない普通の人たち相手に、
救う側に君臨できるわけです。
気持ちいいですよね?
感謝される存在で、
崇められ、
尊敬される存在ですね。
めでたしめでたし…。
って思ってる人はこれ以上先は読まないで、ここでブログを閉じてください。
読みますか?
夢を壊すことになりかねませんがよろしいですかな?(笑)
人は「特別」に弱いです。
誰かの特別に弱いし、
自分が特別になれるとなると、
普段は何ももってない、しみったれた人生を送ってる人は、
食いつきますね。
胎内記憶を持つ子供とやらが、
「子供は母親のために生まれたんだよ」
とか言われたら、子育てにひーひー言ってるママさんは感動するでしょうね。
ヒーヒー言ってなくても、母親として「自信」がないママさんや、
母親として「実感がない」ママさん、
かつて子育てをして、なんだか自分の子育てがうまくいなかったのでは?と思ってる引退した元ママさんたちも、
自尊心満たされますよね。
だって、母親というだけで、父親や、子供のいない人たちと比べて、
「特別な存在」ですから。
他にもよく聞くのが、
「男性の時代は終わった。これからは女性の時代です」
「女は女神です!」
と言われたら、自分が女性としてなんだか損をして生きてきたと思ってる人にとっては、
なんて救いの言葉でしょうか。
だって、「女性」というだけで特別な存在になれるわけですから。
さて、ここまで読んで、
あなたはどう思いますか?
こんな選民意識とか、
自尊心が低い人がありがたがる特別性を助長した思想が、
世界を救えると思いますか?
日本人が世界を救う。
この言説を否定はしません。
僕も「日本人」の特異性は認めていますし、
日本語の神秘は知っています。
そして、矛盾してるように聞こえるかもしれませんが、これらの言説の「必要性」は感じてます。
なぜなら、
日本人としての誇りもアイデンティティも、戦後の政策により根こそぎ奪われてしまったからです。
だから「日本人は特別なんだ」という説で、
国の本当の歴史を知り、自虐史観から脱して、誇りを取り戻すことは必要です。
だから否定する気はないし、それらの発信者の役割は重要だと思ってます。
でも、物事には必ず「良い側面」と「悪い側面」があるということを覚えておいてください。
「日本人が世界を救う」という、
誇りを無くした日本人を勇気づけるメッセージが、
まんま「選民思想」になってしまう、ということです。
戦時中の「皇国史観」も、それに近いものだったかもしれませんね。
だから、一部の人にしか伝わらないかもしれませんが、辛口で釘を刺しておきたいのです。
選民思想的な、排他的な考え方であり、自分が「特別」だという意識。
なんか、「日本人は特別だ!」と発信が強くなってきて、
全体的にそのメンタリティは、
何かがずれてる、何かが不健全、そんな気がします。
だったらまだ、自分で努力して努力して、
死ぬ思いで何かを身につけたり、手に入れた上での、
「俺は特別だ!」
っていうエゴイズムなメンタルの方がまだ健全だとすら思います。
耳障り良い言葉で、
空っぽの自分を満たすな、ってことです。
そもそも、
日本人が世界を救うのではなく、
あなたが救うのです。
日本人が世界を平和にするのではなく、
あなたが世界を平和にするのです。
なぜなら、
すべては内なる自己と繋がっているからです。
内なる自己の、内なる平和をおざなりにして、
どこか遠くの、
誰かの耳障り良い言葉に乗っかって、
自分の恐れや不安を棚上げにした先にある未来は、
恐れと不安が現実化した世界です。
あなたは真の意味のおいて特別だ。
それも構わない。
でも、全ての人が特別なんです。
つまり、
人と比べるな。
自分で在れ。
ってことですね。
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