『母をたずねて三千里』51・52話(最終話) Review | Masterpiece Forest 名作の森

『母をたずねて三千里』51・52話(最終話) Review

母をたずねて三千里(13) [DVD]/松尾佳子,永井一郎,信沢三恵子

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(あらすじまとめて三十分・見どころ)クローバーby Meisakian

顔<第51話>「とうとうかあさんに」
 母アンナの病のことを聞かされたマルコは、
怪我した足を引きずりながら、最後の力をふり
しぼってメキーネス家へ駆けていきます。

 その頃、メキーネス家では重体で意識不明となり、
喘いでいるアンナの姿がありました。
 このままでは手遅れになってしまいます。メキーネスさんは大至急、医師のロドリゲス先生を呼びに行く準備をします。

 いつしか夜になりました。
 月明かりの中、マルコは歩き続けます。もうすぐ母さんに会えるんだと信じて…。
「かあさん…、一緒に帰ろう。もう、誰だってぼくと母さんを引き離したりできないんだ…。」

 マルコの脳裏に母さんの姿が目に浮かび、涙がほおを伝って行きます。

 森を抜けたマルコの目前に、ついにメキーネス家が見えてきました。マルコは足をもつれさせながら、懸命に駆けていきます。
 メキーネス家の玄関先でマルコが転んだちょうどその時、中から馬車が出てきました。
「メキーネスさんをたずねてきました!!ぼく、アンナの息子のマルコ・ロッシです!!」

「なんだって!?君がアンナの息子の…!?」
 馬車に乗っていたのは、メキーネスさんでした。ちょうど、ロドリゲス先生を呼びに行くところだったのです。
 驚くメキーネスさんは、すぐに妻に言いつけて、マルコをアンナの病室に連れて行かせます。

 アンナの病室に通されたマルコ。目の前にはベッドに横たわる母アンナの姿がありました。
「お母さん!!」
 マルコはアンナのそばに駆け寄ります。

「母さん!!ぼくだよ、マルコだよ!!約束通り、アルゼンチンへやって来たんだ。」
 しかし、意識不明の重体のアンナは、喘ぎ続けていました。
「母さん、死んじゃやだよ!!お母さん!!」
 マルコが呼びかけても、アンナは無反応でした。

「母さん!!どうして黙ってるの!?目を開けてぼくを見てよ!!お母さん!!」
 マルコは涙を流しながら、必死にアンナに呼びかけます。

 その時です!!
 アンナはゆっくりと目を開けます。そして、マルコの姿を見るのでした。
「マル…コ……?」

「そうだよ…、お母さん…。」

「マルコなのね?夢ではないのね?」

「お母さん!!」
「マルコ!!」
 ついに再会を果たした、マルコとアンナは強く抱きしめあいます。

 そこへ、メキーネスさんがロドリゲス先生を連れてきました。
 
 アンナを診察したロドリゲス先生は驚きます。
「アンナ・ロッシさん。あなたを治すには手術が必要だ。今あなたの体はしっかりと脈打っている。息子さんに会えて生まれた気力があなたを支えているのだろう。」

 アンナは、ロドリゲス先生に手術をお願いします。衰弱しきっていたアンナでしたが、マルコに会えた今、手術を乗り越えて元気になろうと誓うのでした。

 アンナの手術が始まりました。
 マルコは手術の成功を祈り続けます。

 長い長い手術が終わり、ロドリゲス先生が部屋から出てきました。
「手術は成功したよ…。マルコ、母さんの所へ行っておあげ。」

 マルコは、アンナのもとに駆け寄ります。
「お母さん!!」
「マルコ…、あなたのおかげよ…。」

 この時、マルコは将来、医者になりこの国に戻ってきて、多くの人をを助けたいと誓うのでした。


晴れ<第52話>(最終話)「かあさんとジェノバへ」
 季節は巡り、春がやって来ました。辺りは花々が咲き誇っています。

 マルコは、メキーネスさんの家でいろいろ働きながら、お母さんの看病を続けていました。
 そして、マルコのおかげで元気になったアンナは、マルコと一緒に庭を歩きます。

 そんな2人のもとに、ジェノバから父ピエトロの手紙が届きました。

 父さんからの手紙には、トニオ兄さんが無事機関士となり、また、診療所の方も賛同者が募り、無事軌道に乗り、借金も返せるめどがついたということでした。ピエトロは、アンナとマルコが帰って来るのを楽しみに待っているとのことでした。

 アンナの全快祝いを兼ねて、メキーネスさんが食事会を開いてくれます。ロドリゲス先生もやってきていました。そこで、アンナとマルコに贈り物が贈られます。それはジェノバまでの旅費でした。ついに2人はイタリアへ帰れることになったのです。
 マルコはメキーネスさんたちに、将来、立派な医者となってアルゼンチンへ帰って来ることを誓うのでした。

 世話になったお礼を言って、2人はジェノバ目指して出発します。ロサリオまで汽車で行くことにします。

 途中、通り過ぎるコルドバで、車窓からパブロとフアナに会えるよう、自分たちの乗る汽車を知らせておきました。

 マルコとアンナの乗った汽車がコルドバにさしかかりました。まもなく、サン・イシドロ地区の近くを通り過ぎます。
 マルコが車窓からのぞくと、パブロとフアナが土手の上で手を振っていました。
「パブロー!!フアナー!!」
「マルコー!!」
 フアナも、もうすっかり元気になった様子でした。

 汽車はロサリオに到着しました。
 ロサリオでは、“イタリアの星”に寄ることにします。そこで、マルコはフェデリコおじいさんたちと再会し、母アンナと無事会えたことを報告するのでした。

 ロサリオからブエノスアイレスまでは、船で川を下ることにします。
 途中、アンドレア・ドリア号とすれ違いました。甲板では、船長とマリオが相変わらずケンカしていました。
「マリオー!!船長ー!!」
 マルコは2人に呼びかけます。

「おっ!!あれはマルコじゃねえか!!おふくろさんに無事、会えたようだな!!」
 船長とマリオは、マルコとアンナを川の中から見送るのでした。

 船はブエノスアイレスに到着しました。
 すると、あの懐かしい調べが…。ペッピーノさんのオルガンの音です!!

「フィオリーナ!!」
「マルコ!!」
 マルコはフィオリーナたちペッピーノ一座とも再会しました。アンナはフィオリーナをそっと抱き寄せます。
「…おかあさん…。」フィオリーナは、そっとつぶやくのでした。

 フォスコさんの店で、ペッピーノ一座の公演が行われます。もちろん、マルコやアンナも鑑賞します。ペッピーノ一座はバイアブランカを引き払って、イタリア庶民の中で芝居を続けていくことにしたのでした。

 マルコとアンナが、ジェノバへ向かうミケランジェロ号に乗り込む日がやって来ました。
 フィオリーナたちが見送りにやって来ます。

 マルコはフィオリーナに約束します。将来、医者になって必ずこの国に帰って来ると…。

 フィオリーナたちが見送る中、ミケランジェロ号は出航します。

 航海の末、マルコたちはついにジェノバへ帰って来ました。
 港では、ピエトロとトニオ兄さんが出迎えてくれました。

 バラバラになっていたロッシ家がついに一つになったのです。
 ピエトロは、マルコ、アンナを抱き寄せます。

 マルコはお父さんに言います。
「素晴らしかったんだ、ぼくの旅!!お父さんが行かせてくれたおかげで!!」