多くの疾患をあわせもち、個人差が大きい···疾患だけでなく、心身機能や生活機能を含む全人的、包括的な診療およびケアが必要。


②症状が非定型的⋯特に75歳以上の後期高齢者で一般に診断基準となるような症状や徴候がはっきりしないことが多い。


意識障害や全身倦怠感、食欲不振などの非特異的症状が認められた場合には、重大な病気が隠されている可能性も考える必要がある。さらに、いつもと話し方が違う、食欲が落ちた、歩き方が遅いなどといったささいな変化も、非常に大切な所見である可能性がある。


慢性疾患が多い⋯⋯⋯若い人より回復が遅く、治療も長引き、慢性化しやすい。


④老年症候候群など高齢者に特有の病態がある⋯⋯それらの症状のために、ほかの疾患の症状がわからない場合がある。


⑤薬剤に対する反応が若年者と異なり、特徴的である⋯⋯高齢者では、薬剤の副作用が出やすい。また、1人で多くの薬剤を併用している場合が多いため、より副作用が出やすい状態にある。



⑥ QOLや予後が社会的要因により大きく影響される⋯⋯高齢者の意欲や病状は、家族の状況、住環境、経済状況などから大きな影響を受ける。