冬景色の松尾峠遊歩道 富山県立山町
以前立山黒部アルペンルートの弥陀ヶ原から松尾峠までの遊歩道について、木道の交換のため通行止めになっているという記事を書いた。その後どうなっただろうか。こんな時期に松尾峠に行くのもどうかと思ったが、急遽思い立って行ってみることにした。2021年10月26日。室堂発14時発のバスに乗車し追分に向かう。今回はほんとうに思いつきだったので、普段の服装にゴム長靴、軍手、ホームセンターのカッパという適当極まりない装備である。水は600mlのペットボトルに水を詰めたものが1本だけ、非常食はなしだ。14:17追分で下車する。室堂は朝から晴れていたのだが、ここは曇りのようだ。わずかに雪も舞っている。立山は1週間前に雪が降り、その後も断続的に降っているのでこの追分もずいぶん雪が積もっている。おそらく10~15cmくらいだろうか。ただ、溶けたのか除雪されたのか、駐車場は半分くらい土が見えている。これは10月23日のほぼ同じ場所の写真だが、この日に比べるとずいぶん雪は減っている。14:21歩き始めたが、意外にも木道がはっきりと見えている。14:24最初の谷。この道は結構アップダウンがあり、小さな川も何か所か渡る。まるで落橋したかのような光景だが、もともと架橋はされておらず石を伝って渡るようだ。水量が多く石に雪も被っているため、慎重に渡渉する。14:26早くも木道の上に雪が被るようになってきた。だが、十分位置はわかる。14:28もう一度川を渡る。新しい木道の工事はここまでだったようだ。この先の道はすっぽり雪に埋もれているので、竣工検査か何かでここまでだけ除雪されていたのではないだろうか。14:30今までとは逆に、木道の位置の雪がもこっと盛り上がっているので、なんとなく場所がわかる。14:34地塘の説明板。美しい湿原地帯も今は真っ白である。2019.7.814:36地塘にしては大きく深い水たまりがある。木道の位置が判然とせず踏み抜かないか心配だったが、まっすぐ進むと無事通り抜けられた。2019.7.814:41小さな木橋で川を渡る。雪を踏むと雪ごと動いて川に落ちそうな、いやな積もり方である。ここは雪を掻き落としてから進む。14:44樹林帯が迫ってきた。ここからはかなりしんどい登りだったはずだ。14:47何かの動物の足跡が続いている。そういえばもう熊はいないだろうと思い熊鈴は持ってきていなかった。逆に鳴らしたら熊を冬眠から起こしそうである。右手には何らかの人工物が見える。ソーラーパネルだろうか。14:48いよいよ樹林帯に突入である。夏ほどではないが、チシマザサが道に張り出していて歩きにくい。14:49木橋発見!夏ならば何も思わずに通り過ぎるのだろうが、このような景色の中だと一人前の遺構のようである。14:55次は桟橋のようなものが現れた。森林鉄道でも探索しているようでちょっと楽しい。14:56笹藪と雪でルートが判然としない。帰りにわかったが、ここはルートミスをしており、木道は左手に迂回していた。14:58片流れ斜面。迂闊な場所に足を置くと雪とともに流されそうで慎重に歩く。15:01どうやらいったん樹林帯を抜けたようだ。ここで少し休憩する。GPSソフト「Geographica」で計測した現在位置。約40分くらい歩いたのに、まだ3分の2程度しか進んでいない。この先はしばらく緩やかな斜面が続いた後もう一度樹林帯の急斜面があったはずで、この感じだとまだ20分くらいはかかりそうである。通常は追分から松尾峠展望台まで約30分ほどの所要時間だからちょうど倍くらいのペースだ。(GPSの軌跡は以前訪問したときのもの)一歩一歩木道の位置を確認しながら歩いてきたのでそれくらいの時間がかかっていてもおかしくはない。吹きだまりでは30~40cmくらい積もっていることもあり、転倒こそしなかったものの、木道とは違うところを踏み抜いて膝まで雪に埋もれるようなこともしばしばあった。逆に雪の下を水が流れる音がするような場所や木道の上を水が流れているような場所もあり、かなり慎重に歩かなければならなかった。この状況が今後よくなるわけはなく、私は判断を迫られた。というのも、最終バスが弥陀ヶ原発16時45分であり、それまでに弥陀ヶ原に戻っていなければならないのだ。仮に追分まで同じ時間で戻ったとして40分、追分から弥陀ヶ原まで20分、バスが来るまでの余裕を見て10分、今すぐ帰ったとしても1時間10分が必要である。また、下りはスリップを避けるためにもっと慎重に歩くことも考えると更に時間を要することもあり得る。万全の装備であればギリギリまで歩くことも考えられたが、そろそろ撤退する潮時だろうと思われた。未練がましく歩き出していた私だったが前方にポールのようなものが見えたので、そこまでだけ進んで撤退することにした。15:10ポールのように見えたものは、立ち枯れたコバイケイソウ?だった。このコバイケイソウからは左にも右にも道があるように見える。木道を掘り出して向きを確かめようとしたが、よくわからなかった。残念ながらタイムオーバーだ。下りは、行きの足跡が残っていたので思った以上に早く歩くことができた。スリップの危険もほぼ感じなかった。15:42追分駐車場帰着。30分で戻ってきた。ここでバスが止まってくれればいいのだが、降車専用なので乗車するには弥陀ヶ原まで歩かなければならない。15:58弥陀ヶ原駅が見えてきた。次のバスは15分後に来るが、30分前には予約しないといけないので乗車できないという嫌な時間の到着である。まあ無事帰ってこられたのでよしとしよう。国民宿舎天望立山荘。レストランや下層階の窓に木枠をはめてもう冬ごもりの支度である。帰りのバスの中、ブナ坂で急に雲が晴れてきた。今にも沈もうとする真っ赤な夕日が黄色く色づいていたブナの木々を鮮やかに照らし出していた。ついさきまでの雪景色とは対照的な光景だった。2021.10.26 単独