この作品を見たとき、何とも言えない感動とでも言いましょうか。所謂男のロマンを感じました。今回はその具体的内容について感想を述べたいと思います。

 先ず、舞台は主人公の喜多見さんがその日常に於いて仕事に明け暮れてしまい家族の時間を大切にしない所からでした。私は仕事も大切ですが、プライベートも本当に大切にしなければ!と喜多見さんに最初は反感を抱いてしまいました。そんな中事件は起きます。喜多見さんの奥様が友人と横浜ランドマークタワーのレストランを予約され、優雅な団らんの時を持っていらっしゃる折り、不運な事にそのランドマークタワーに火を放つ輩が居ました。私は、心底から何という奴だ!と強い憤りさえ覚えました。そして、これまた運の悪いことに喜多見さんの奥様は身重でした。しかも臨月です。そんな中放火の実行犯はその犯行をやって退けるのでした。ガソリンを撒いて火を放つ為火はアッと言う間に燃え広がります。そして、これまた放火犯の周到な準備により、各階にガソリンを数袋入れた籠が置かれていました。「ドン!」と爆発を起こしながら火はどんどん上へ上へと昇ります。そして、多くの観覧者が居た階(展望階)にまで火は及ぶのでした。逃げ惑う観覧者に火は容赦なく降り注ぎます。私は息を呑む思いで、救助を待ちました。その間にも、火は「ドン!」と爆発を繰り返しながら燃え広がるのでした。(早く救助が来れば良いのに!)私は心の中でそう叫び、祈りました。そして、喜多見さんの奥様が喜多見医師に、今ランドマークタワーで何が起きているか電話するのでした。それとほぼ同時にTOKYO MERに出動命令が出ます。TOKYO MERは都知事直結の組織で、裏側では政治のやりとり(ごたごた)が起きています。そんな中で、新しい組織YOKOHAMA MER にも出動命令が下されます。こちらの組織は、厚生労働大臣の指揮下にあり、こちらでも汚い政治のやりとりがありました。

 私は(こんな時にそんな政治のやり取りなぞしてられる余裕があるのか!)と憤りをお覚えました。しかし、事態は更に悪化します。何と喜多見さんの奥様が、炎に包まれながらも産気づくのでした。(何と言う事だ!)緊張が走ります。しかし肝心のスプリンクラーの線まで犯人は切断していた為、炎は容赦なく妊婦の喜多見さんや、医師の夫を襲います。そんな中、医師の喜多見さん(ご夫妻共に医師)は、旦那様が奥様を必死で外へ出そうとされます。しかし、奥様の方は、炎に包まれながらも、その場に於ける帝王切開を喜多見医師に命じるのでした。これには涙腺が崩壊します。喜多見さんは諦めませんでした。しかし、奥様は自身も医師免許を受有されている為ご自身の状態を冷静に分析され、子供の命のみを助ける様喜多見医師に命じます。(頼む!二人とも助かってくれ!)私は手に汗握る思いで喜多見さんの救助の様子を見守りました。

 南口は焼け落ち、北口しか逃げ道は無くなります。それでも南口から17階も下って、老婆を救助した喜多見さんは、応援をYOKOHAMA MERに要請しつつ、再び燃え盛るランドマークタワーに突入するのでした。そこで厚生労働大臣は異論を唱えます。「私の指示に従え!」私は(何と愚かな!)再び憤りを感じるのでした。そして、とうとう厚生労働大臣の意に反し、YOKOHAMA MERは動きました!

 しかし、喜多見さんの奥様は時既に遅し!心肺停止状態でした!(厚生労働大臣さえいなければ!)強い感情に支配されつつも、喜多見さんの諦めない姿勢に感動を覚えました。アドレナリン投与や、必死の心臓マッサージが行われます。(がんばれ!)私の拳に力が入ります!(がんばれ!)そして、喜多見さんが妹さんを、爆弾により亡くされた時の映像が喜多見さんの頭の中をよぎるのです。喜多見さんは諦めませんでした。必死に、心臓マッサージを継続し、アドレナリンを投与して行きます。その時奇跡が!何と!喜多見さんの奥様の心臓は息を吹き返したのでした!そして、赤ちゃんも仮死状態でしたが、ほぼ同時に助かりました。

 都知事に報告が行きます。「死者0!」都知事の声が都庁に響きます!喜多見さんの涙に合わせるかの様に私の頬を熱い物が流れます。(やった!)心の中で叫びました!

 ここから私は、何事も諦めず最後までやり通す事の素晴らしさを学びました。私も、試練数多な人生ではありますが、絶対最後まで諦めず、人生の闘いを強く生き抜いて行こう!と心に誓いました。