私は『警察24時』が好きだ。前にも書いたことがあるが、この類の番組を見ていると、毎回思うことがある。それは、「同じ犯罪を犯す人は、たいてい同じ行動をする」ということだ。


例えば、薬物犯は”ブツ”が入っているポーチなどが見つかると、「俺のじゃない」「この車は友人に借りた」などと、自分のものではないアピールをする。また、酒気帯び運転を犯した人間はたいてい実際の酒量より少なく申告する。スピード違反者は、だいたい「俺だけじゃねぇじゃねぇか!ノルマのために捕まえやがって」と言うような悪態をつく。


今の職場では、これに似た状況がある。簡単にまとめると、「仕事のできない主任や管理職の評価が低い主幹は、だいたい副校長に仕事のアピールをしに来る」ということだ。


まず、あきさんだ。自分の授業で生徒がやったものを、いちいち副校長に見せて「すごくないですかぁ?これ!もう私、あまりのすごさにびっくりしちゃってぇ~」とアピールしに来る。きれいに書かれたノートや、ものすごく詳しく分析した模試直しノート、プリントの演習など、いちいち見せに行く。


特にこの行動がひどくなってきたのは、私がG期の担任に入った頃だ。この年はKDさんやSKさんなど、同じ教科の敏腕教師が転勤してきた年だったため、きっと自分の立場が危ういと感じてのことだろうと思う。


G期担任を一緒にやっていた時、”主任”はこれをバカにしていた。いちいちあんなことをアピールに行くなんて、と。私自身も「子供じゃあるまいし、いちいち副校長にアピールに行かずとも」と思っていた。


この他にも、私が現在所属しているI期の前の学年主任も、いちいち何がどのくらいすごかったかをアピールしに行っていたし、TNさんもいちいち自分のやったことをアピールしに行ったり、誰かが自分の言うことを聞かなかったことを言いつけに行ったりしている。


奇しくも、この2人、両方ともあきさんと大の仲良しだった。そしてこの3人、全員が職場のトラブルメーカーだ。(うち2人は転勤してしまったが、先方の職場でもやらかしているらしいと情報が入ってきている)


G期の時の私たちは、この人たちから直接”被害”を受けることはあまりなかったため、最初は特に気にも留めていなかったのだが、あきさんやTNさんの分掌とかかわりが出てくるにつれて、静観していられなくなった。


茶話会や飲み会をすると、この人たちの話が出てきて、そのたびに「なんでいちいちあんな風に管理職になんでも話しに行くんだろうねぇ」と口々に言っていた。


しかしG期が卒業後、たった半年くらいで”主任”までこの行動をするようになった。あんなにバカにしていたのに、あきさんの作った要項などを完コピするだけにとどまらず、行動までコピーするようになったのか、と私はあきれた。


きっと、管理職の自分への評価が低いため、なんでもいいから自分のアピールをしたいのだろう、と思った。私の席が副校長の席と近かったため、”主任”が来ると必ず目に入った。目に入るたびに、私は退職までこんなみっともないことをしないで済むよう、一生懸命仕事をしようと自分に言い聞かせた。