それとやはり、”主任”に対して一番ストレスを感じていたのは、その依存度の高さだ。


G期が1年生の時からずっとそうだったのだが、休みの日に平気で仕事の話をメールやSMSで送って来る。入院した、事故に遭ったなどの緊急事態ならまだしも、「〇〇さんが、コロナに感染したそうです」や「〇〇君は今日もちゃんと登校していました(不登校気味の生徒)」などと言う、緊急性の全くない内容を送ってきた。時には「早く知らせた方がいいと思って~」と言いながら、全然緊急性のないことを、電話で伝えてくることもあった。ある時、「〇〇君の保護者が電話をしてきて、明日折り返してほしいと言っている」と言われた時には膝がガクンとなった。


今日中に折り返してくれ、というならまだしも、明日とは。だったら明日教えてくれよ、と私は思った。


休みの日にわざわざ電話をかけてくる=緊急性のあること、重大なこと、という公式が頭に出来ている私からすれば、”主任”や学校の電話番号から電話があれば、ドキッとする。だからこそなお、今日でなくてもよいような話だった時に「なぁんだ」という気持ちが強くなる。そして、これが何度も起こると、ほっとしただけではすまず、だんだん後からむくむくと怒りが湧いてくるのだった。


私は、休みの日にはちゃんと休みを取りたい。運動部の主顧問をしていると、休みが極端に少ないのだから、せっかくの休みの日くらい、仕事を忘れしっかり休みたい。それに家のこと、親のこともある。少ない休みでこなさなければならないことが結構あるのに、こんな緊急性のないことで連絡をしてこられるのは、私にはやはり不快だった。


そこで、G期が1年生の時に、やんわりと”主任”にそれを伝えてみたことがあった。すると、その直後に”主任”は学年の会議でそれを議題にした。これも私のイライラを誘った(わざわざ会議にかけるほどのことか?と思ったので)。しかし、8人の担任中、コロナに感染したというのなら、休み中でも知りたいと言う人が”主任”も含め2人いたので、私の提案で、担任8人のみが見られるチャット(業務用チャット)を立ち上げて、そこにコロナ感染が分かった生徒の生徒番号等を載せることにした。そうすれば、私のような別に知らなくてよい人は、チャットをいちいち開けなければいいし、”主任”たちのように知りたい人は適宜自分で開けて見ればいい。さらにアクセス権限を限っているため、他の職員ですら見られないようになっていて、安心だった。


これで、しばらくは”主任”からいちいち電話をもらうことはなくなった。


しかし、すぐに別のことで”主任”は私をまたイライラさせるようになった。それは、私の週休日の前日に「Jさん、明日って学校来る?」と聞くようになったことだ。週休日は、認められた権利だ。何故、私だけいちいち毎週週休日に学校に来るか、休むかを確認されなければならないのだろうか?試合が近いと、1週間で半日しか休めない時すらあるので、週休日は私が待ちわびている日でもある。なのに、これを聞かれることで、すっきりとした気持では休めなくなる。


2~3回これをやられた時、私は”主任”に「最近、それききますけど、何かあるんですか?」と聞いてみた。すると、「いや、Jさんのところ〇〇(不登校気味の生徒)がいるでしょ?」と言った。私は内心(だから何?)と思っていた。その気持ちが顔に出ていたのかもしれない。”主任”はすぐに「Jさんいないんだったら、見とかないといけないじゃん?」と言った。私はあまりに腹が立って「あぁ、そうですか」とだけ言ってその場を去った。


立ち去る途中、「私がいる、いないに関わらず、自分の学年の生徒なんだから気にかけとけよっ!」と思った。「しかも、不登校生徒気味のがいるの、私のクラスだけじゃないじゃないかっ!」とも思った。それに、他の人が言うならまだしも、”主任”がこんなことを言うなんて!と怒りが止まらなかった。私はその頃まだ少し口をきく仲だったあきさんに、この話をしようかとも思ったのだが、あきさん自身が休みだろうが深夜だろうが、平気で仕事の話をメールしてくる人間だったため、やめておいた。


ちなみに、”主任”の「Jさん、明日学校に来る?」癖は、学年が終わって別部署になってからも何回かあった。結局は人への依存度が高すぎて、仕事を押し付けることができる相手が学校にいないのが不安なのだろう。今時、新採だってここまで依存度の高い人はいないだろう。今後転勤しても、”主任”はちゃんと主幹としての働きができないどころか、ベテランとは思えない仕事ぶりになるだろうと思う。


まぁ、だからこそあんなに校長に何度もせっついて、学校に残せ、残せと言うのだろうけど…。