ウェイト版タロットカード22枚の大アルカナを
自分の絵+解釈と、イメージで覚えやすいように意味を使用したストーリーを添えて不定期連載しています
今回は17枚目の「16. 塔 The TOWER」のカードです。
塔 The TOWER
とある国の王は、自分の立場をさらに確固たるものにしたかった。
民衆が崇拝する神と同じか、あるいはそれ以上の存在になろうとした。
より上へと世界中の名声と富を集め、威信をかけて、
神に手の届きそうなところまで塔を作る。
ところが完成間近という時に、予期しないことがあった。
災害が起こったのだ。
大地震で地が緩んだところに例年にない大雨が降り続きそして落雷。
再生が難しい崩壊状態となった。
働き手も失われ、この不幸な出来事の前にすぐに再建することはできない。
塔どころではなく国も民も大きな被害を受けてしまった。
何が何でも、プライドをかけて塔を作らなければならない!
そう思って走り続けてきた王の心は折れた。
自分が目指していたものは神だったか?
神のようにはなりたかった。
でもこの天変地異を経て、自分は国民の命を救うこともできない
ただの人間なのだという事を嫌と言うほど思い知らされた。
自分も民と同じ、ただの人。
ただ立場が上で、富を持っていただけの人。
何もないただの人だった。
けれど自分にはここまで皆がついてきてくれる、信頼があった。
声をかければ動かせる力があった。
まだ皆はついてきてくれるだろうか。
突然の出来事が王の心も変えた。
それからは国を立派に復興させ、
前よりもずっと良い王であろうと努力をし続けていくのであった。
雨降って地固まる。
キーワード : 浄化、デトックス
正:予期しないこと、ハプニング、警告、崩壊、破滅、喪失、意識過剰、大変化
逆:天変地異、必要悪、不幸な出来事、多忙、煩雑、誤解、解放、殻を破る
西洋占星術との照応:火星
シンボル
・塔:傲慢、目的、誇示する
・雷:神の怒り、神の聖なる力、真実を気づかせる
16.塔 The TOWER
何かと悪く思われがちな塔。
人によってはタロットのワーストNo.1になることもあるかもしれません。
悪魔と並んで、サッと出た瞬間に「ヒエッ」を誘いそうです。
だって雷も火事も落下も恐怖!
だけどそこまで悪いこともないんですよー!
と塔の印象向上委員会(いまつくった)委員は語りたいと思います。
人が怖いものっていっぱいあります。
その中のひとつが「変化」。
突然、自分の足元からひっくり返されるような出来事。
リストラかもしれないし、お付き合いしている相手の心変わりや浮気かもしれない。
永遠に続くと思っていた、思いたかったことが崩れてしまう。
それって確かに恐怖です。
なのですが、
・人生ささげられるような大きな夢と出会った
・前より良い環境に行くことができた
・前の人を忘れてしまうくらいの運命の人と出会えた
・むかつくー!何とか見返してやる!と一念発起してめちゃくちゃ美しくなった
・経験をばねにしてスキルを得た
などなど、そのあとの状況も大きく変わることがあります。
これは「前の環境の中」に居続けると気が付かないことだったかもしれないし、会えないし見えないことだったかもしれません。
結果論かもしれないけど、結果オーライなのです。
今の自分よりも明日の、未来の自分がサイコー!なら素敵じゃありませんか?
確かに過去にいたい、過去の方がよかった、と思い続ける時も必要なのかもしれません。
けれど、今や、これからを歩いていくのもまた自分なのです。
ちなみに塔に落ちるのは雷として描かれていますが、「神から放たれる聖なる力」であるともいわれます。
神の怒りだけではなく、そこには「慈悲」もある。
自分の身に起こることすべてには意味があります。
その瞬間には見えなくても何のための「慈悲」だったのか。
一面だけでは見えてこない物事の側面に何か答えがあるのかもしれません。
※タロットの解釈やストーリー、背景は諸説あると思いますのであくまでも私の考える一意見としてお含みおきください。同じカードを引いても人によって場合によって引き出される言葉が異なるのが面白いところだと思っています