スイカの味 | 恋人という名の猫

スイカの味

普段、口うるさくものを言わない優しい母が、去年の秋頃から「あなたは、うるさいって思うかもしれないけれど、いろいろ注意するからね、私が死んだら、あなたが他人のなかで生きて行かなければならないのだから聞きなさいね。私が死んだ時に、お母様はこう言っていたなって思い出してくれればいいから。」と言っていたのを思い出します。

明るく前向きな母が、
冬になり、時々不機嫌そうな母に、母子家庭で二人っきりなので喧嘩はしたく無いと想って、私の方が席を外し、自室にいる事が多くなったあの頃・・・3月母が、亡くなってから、私がその事を話すと、近所のご夫人が「親しい人とお別離が近くなると、不機嫌になったり、あたったりするものなのよ。」と聞かされ、その場で、大粒の涙がこぼれ落ち、

母の体調に変化があっての不機嫌さなら、母のそばにいて、なぜもっと楽しい想いをさせてあげられなかったかと、悔やまれて涙がとまりませんでした。

旬の食べ物があると「お母様食べて、旬のものを食べると長生きするわよ。」と言っては、季節のものを食卓へだしていたあの頃。

母が、大好きだったスイカの季節。

夜にもかかわらず
スイカと、プレゼントをわざわざ届けて下さった知人に、お世話をかけっぱなしです。

人見知りをして知らない人を怖がる猫が、知人の足もとへ、嬉しそうにすり寄ってたのには驚きましたが、小柄でパンツスタイルが多かった母と同じ小柄の女性を、母と間違えたのだと分かり、少し切なくなり・・・
今年初めてのスイカの味は、優しい甘さと涙の味がしました。