レアなポワントが気になる

メイコナ、興味のあるものに対しての観察眼は結構あるんじゃないかと勝手に思っています。
例えば、学生時代に眼科で助手として働いていた際は、ソフトコンタクトに限り、その場で目を見たら瞬時に何のメーカーか、場合によっては番手まですぐに判断できていたので同僚から気持ち悪がられていました(笑)

判断基準は虹彩から比率で判断したレンズの直径、レンズの色、レンズ端の形状、眼球カーブ、まばたきしたときのレンズの動き等を見ていたように思います。
当時、特技は『利きコンタクトレンズ』と答えていたほどw
この時はとても興味があったので各メーカーのパンフレットや文献など読み漁って自分なりにまとめていました。


先日、発表会の合同練習の時に、踊りを見つつみなさんのポワントを観察していました。(←オイオイ)
グリシコが圧倒的に多く、ソールの色が特徴的ですぐにわかりますが、型番が豊富なので詳細までは判断できず。
精度高めに見分けがつけられたのは、プロフレックスのシールの跡がソールにわずかに残っているダンサーがおり、日本で購入できるプロフレックスシリーズは2007、MAYA-Ⅰが多いので、形状的に2007と推察しました。

他にはR-Classのアルマッズとルビン、シルビアのフロリナ‐Ⅱの方がいました。

そして唯一、すぐに判断できないポワントを履いているジュニアちゃんがいました。
サテン生地の色の雰囲気は BLOCH に近いけど、ちょっと違う。
(もっとピンクオレンジ寄りでカペジオのコンテンポラよりは薄いカラー)

ソールの色もBLOCHとは違うなぁ・・・と凝視していたところ、チャコットの米沢唯さんモデルだと気が付きました。(トゥシューズのすべてを毎日のように熟読しているので、大体見分けが付きます)
チャコットの店舗販売限定のモデルなので、相当こだわりのある方だなと思いました。
陰キャなメイコナだけど、そういったこだわりは聞きたくなる・・・聞けないけど。

日本で使用者の多いポワントのメーカーといえば、
グリシコ、チャコット(FREED含む)、BLOCH、シルビア、サンシャ(F.Rduval含む)、R-Class、メルレ、カペジオ、ゲイナーミンデンあたりがメジャーでしょうか?
メジャーであるかの判断は、取り扱い店が多く、購入しやすいというところ。

レペットやギャンバは過去にはかなり人気だった様子。
特に、レペットのバヤデール(廃番)という種類は、大人からバレエさんに人気だったとか。
今でいう、BLOCHのバランスヨーロピアン的な立ち位置だったと予想。

国産老舗ブランドだと、ボンジュバレリーナ(旧:バレリーナ1963~)、アビニヨン(1984~)、綜芸(1950~)が気になる。 アルコッテ(2016~)は設立は比較的新しめ。

というわけで、今回はボンジュバレリーナのEXルルベと総芸のロイヤルを試してみました。




まず、ボンジュバレリーナのEXルルベ(右)は、レギュラーラインのEXよりもヴァンプは短めでソールもルルベしやすい初心者向けのポワントとのこと。
実際に試したところ、トウ先に向かって細く絞り込まれた形状で、プラットフォームは標準くらいの大きさ。
個人的にはもう少しプラットフォームが広いほうが安定しやすいけど、このサイズもOK。
サテン生地や縫製、見た目が均一で作りこみがとても丁寧なポワント。
なんだか汚したくない気持ちになる美しさ。とても丁寧に作られているのを感じます。(画像下)



履き始めからすぐにソールが足裏へ吸いつくという感じではなく、土踏まずに少し隙間を感じるのですが、履き続けてなじんだら、とてもいい感じになりそうな雰囲気。
履き続けることで無理なく脚のチカラを付けられるような設計に感じました。
あと、ソールの耐久性もあり、長持ちしそう。

これは他の型番も気になる!!!
見た目的にはレガートプラスが大好きなR-Classのエレガンスに似てる気がするので試してみたい。


続いて綜芸のロイヤル。
※メイコナが試したシューズは、譲ってもらったものなので最新バージョンではないかもしれません。

まずサテン生地のピンクがめちゃくちゃかわいい。
ちょっと昔のレペットのサテンの雰囲気に似ています。
他メーカーとの違いと個性を感じる、小粋でおしゃれなカラー。

全体的な見た目はFREEDのように、手作り感があります。
24.5のD幅を試したのですが、他のメーカーより縦のサイズが小さめに感じました。
ロイヤルのすごいところは、薄すぎて使い道が見つけられていなかったゲイナーミンデンの薄いトゥパッドでも全然痛くないの。
しかも細いシルエットで足のラインがとても美しく、メイコナ好みの見た目です。
ロイヤルには他ブランドにはない独特なオートクチュール感があります。
やや前重心で軽く音が静か。手持ちはBタイプのソフトでとてもしなやかです。
体重の軽いジュニアちゃんも直ぐにピッタリと履けるんじゃなかろうか。

最近のグリシコやBLOCHは新作含め安定感としなやかさを売りにして割とゴツめのシルエットのシューズが多いように思いますが、ロイヤルはやや幅広足のメイコナでも細いシルエットに見えてとても綺麗です。

※先日紹介したヴァーティッセのヴァーブやカペジオのコンテンポラも比較的細いシルエットに感じます。

ゴツめのポワントの場合、オンポワントでも人間みを残したシルエットに感じるのに対し、上記のような細いシルエットのポワントはカモシカやウサギの脚のような、軽やかな印象

ただ細めシルエットのポワントあるあるですが、踵が浅くて脱げやすいので対策は必要。


海外ブランドのポワントもいいけど、
やっぱり国産品の丁寧なモノづくりと、長年日本人の脚を研究したこだわりや、メーカー独自の美学がポワントに確実に反映されているのを感じます。
この独自の美学をモノづくりにブレずに反映できる技術は国産ブランドならではだと思いました。

色々試してもしっくりくるポワントが探せない方がいらっしゃったら、今一度国産ブランドに目を向けてみてもいいんじゃないかな、と思います。

工房で職人さんたちが丁寧に作っていらっしゃると思うので、量産は難しいかもしれませんが、コンクールや発表会にフィッティング出店して、顧客が増えれば国産ポワントの良さがもっと認知されるのになぁ。
国産メーカーの取り扱いが豊富なバレエショップがもっと増えるといいですよね。

本日も遊びに来てくださりありがとうございました。

メイコナ(=ↀωↀ=)✧ 

補足

お気に入りのアールクラスのエレガンスの比較




ソールの比較

右がEXルルベ、左は綜芸


グリシコMAYA-Ⅰと比較