娘(中3)息子(中1)2児の母です。

習い事をきっかけに息子が小6で『PTSD』

診断。その後、二次障害で『強迫性障害』

発症。息子、小6秋から不登校になり、

続いて娘も不登校に。


習い事のはじまり〜今までの

日常で辛かった事、子供たちとの関わりを

お話させていただいています。


子供たちがまた、心から笑って

 過ごせる日を願う母の日記です。

前回のお話

はじまりの続き その18『恐怖からの限界』 


1番最初のお話

はじまり『あの頃は楽しかった』 



 息子、小学6年生の8月。


 試合で、
 結果を出せば出すほど
 甘えは許されず……
 先生からの容赦のない
 人格否定をする暴言が続き……
 
 息子は、
 先生の見えない場所で
 自分を叩いてしまうようになり、
 練習に行けなくなってしまった……。

 
 『僕、もう無理……。
 自分を叩いちゃう……。
 優勝しなければ良かった……。』
 と、息子は泣き崩れてしまった。
 
 
 3ヶ月後には、
 ずっと努力を重ね続けてきた
 『小学生全国大会』が控えていた。
 『日本ジュニア強化選手』にも
 手が届く地位まで息子は、
 辿り着いていたのに…。
 


 この日の翌日、
 先生の口から
 練習中の息子の事が聞きたくて…。
 息子がずっと泣いてしまっていて
 様子がいつもと違う…。
 聞いても何も言わなくて…。
 と、息子の様子を
 先生に私からLINEをした。


 先生からはこう返ってきた。
 『僕の指導に文句があって
 やる気がないなら、もう来ないでください。』
 だった。

 この先生からの返信に
 息子は、更に恐怖を覚え、
 『これで練習に行ったら
 先生に殺される…。
 先生、すごく怒ってる。』
 と言い……。
 
 この時に
 息子から発した
 『怒られる』
 ではなく、
 『殺される』
 の言葉の表現が
 私にはとても
 衝撃的だった……。
 
 それだけの
 日々の辛さを
 物語っていた……。

 この日は、練習がお休みだったが
 翌朝から、
 この先、全国大会を控えている
 息子だけ練習があった…。
 しかし、
 先生に対する恐怖な気持ちが強く、
 息子は家から動けず、
 行けなくなってしまった…。


 私は、先生に電話をかける勇気がなく
 いつもならあり得ないLINEで
 欠席連絡をした。

 
 『すみませんが今日は、
 お休みさせてください。
 これからの事を考えさせてください。』
 と、伝えた。



 そしたら、
 先生からすぐに着信があった…。

 私は、
 電話に出るのも怖かった…。
 何を言われるのだろう……と……。


 今までも、
 息子のようになってしまった選手が
 先生の生徒で2人いたが、
 先生は、まさか息子までもが
 練習に来れなくなってしまうとは
 思ってもいなかったようで、
 とても焦っていた…。
 『この子は、大丈夫な選手だろう』と、
 思われていたからだ…。
  
 
 

 先生
 『もしもし。』


 私
 『お休みさせてしまいすみません。
 一昨日の練習後から泣き崩れてしまって…。
 先生が息子のために一生懸命、
 やってくださっているのは、とても
 感謝しています。 
 先生のおかげで、ここまで結果を
 出す事ができました。

 本当に感謝しかないくらい
 感謝をしていますが、長期に渡り
 息子に対し、先生から人格否定を意味する
 暴言があったようで…。
 先生も、言い過ぎてしまった時は
 息子に『ごめんな』って謝ってくださり、
 息子は、『出来ない自分が悪いから』と言い
 自分を責めながら、先生を信じて
 頑張ってきましたが……。
 褒められる事なく、ずっと、怒鳴られて
 ばかりで、息子は最近、
 先生から見えない場所で、
 先生から注意をされる度に
 自分を叩くようになってしまって…。』



 先生
 『僕も自分でいけないって思っていて…
 分かっているんだけど、ストップが
 かけられなくて…。
 本当にすみませんでした…。』


 私
 『子供だから、言ったあと謝れば
 どうにかなるのではなくて、子供だからこそ
 子供の耳に届けてはいけない言葉が
 あると思うんです…。
 大人と違って子供は、先生からの言葉を
 そのまま受け入れてしまうので…。
 先生からどんな
 言葉を言われても、息子は先生を
 信じて、何度も先生と息子は、
 やり直しをしてきたけど……。
 ずっと、息子に対する暴言が
 続いてしまったので…。』


 先生
 『すみませんでした…。
 もう1度、チャンスをください。
 もう、言わないようにするので……。』


 私
 『できれば、
 息子も私も、先生と一緒に目指したかった
 です…。けど、もう、こうなってしまった
 今では遅いんです…。』


 先生
 『何でもっと早い段階で相談を
 してくれなかったんですか?』


 私
 『息子が6年生になったばかりの時に
 私が息子の事で、「のびのびと練習を頑張って
 もらいたい」と先生にお話をしたら
 先生、『のびのびと』に対して、
 自分の指導の事を言われていると
 勘違いをして、練習中、息子に
 「てめーのお母さんは何を考えてんだぁ!!
 怒らないで欲しいみたいな事を言ってきて
 むかつくし、ほんと腹が立つんだよ!!」
 と、息子に怒ったそうですね…。
 その時は、誤解が解けましたが、
 私たち保護者が先生たちに
 何か言う事で、子供たちが嫌な思いを
 するのではないか、と思い言えません
 でした…。』

 

 先生
 『すみません……。』


 私
 『このまま、このクラブで続けていたら
 また、更に悪化してしまう可能性が
 今までの選手を見ていて思うので、
 息子には、他のクラブでこのスポーツを
 続けさせてあげたいと思います……。 
 本当に今まで、一生懸命
 やってくださった事には感謝しています…。』


 先生
 『そこをどうか
 僕にもう1度やらせてもらえませんか?』


 私
 『すみません…。
 強い選手になるために技への厳しさは
 私も必要だと思うんですが、子供に対しての
 人格否定をする暴言は、私の中で1番
 あってはいけない事だと思うので……。
 すみません……。』




 この内容を繰り返す
 先生とのやり取りが電話で
 1時間30分ほど続いた…。


 電話を切ったあと、
 先生は、自宅まで来て息子に
 『今まで傷つけてしまってごめんな。
 お前は、本当にどこのクラブに行っても
 通用する選手だから、頑張って…。』
 と、涙ぐみながら
 息子に謝罪をしていた…。

 
 
 
 本当は、大好きな先生…。

 

 
 本当は、先生と二人三脚で
 目標、夢を叶えたかった息子…。


 
 
 息子は、
 先生の『ごめんな。』の謝罪に
 『いえ……』と、
 言葉を詰まらせ……

 
 先生からの
 『他のクラブに行っても頑張って』に対し、
 『はい……』と答えた。


 

 息子は、
 家に入り、今までで1番
 泣き叫んでいた…。


 
 私は、
 『本当は、先生と最後まで
 頑張りたかったね…。
 よく頑張ったよ…。』
 と、
 泣き叫ぶ息子と共に
 私まで
 自然と涙がこぼれてきた…。
 
 
 息子のために
 本当に一生懸命やってくださった
 先生。

 自分のために、
 先生を喜ばせたい……
 と、
 本当に一生懸命頑張ってきた
 息子。



 暴言さえなければ
 先生と息子は
 ずっと一緒にいれたのに……。


 
 息子は、
 何とも言えない
 複雑な気持ちからの
 涙だっただろう……。



 それから、
 数十分が経ち、
 クラブの先生方から
 次から次へと
 電話着信が続いた……。


 
 『そこを何とか、
 どうにかなりませんかね?』
 
 
 『お願いします。』


 『もう1度だけ
 チャンスをお願いします。』

 

 できる事ならば私だって、
 このクラブで息子に
 頑張ってもらいたい…。

 

 しかし、
 この時、私の脳裏を過ぎったのは、
 この時点で子供を辞めさせず、
 続けさせてしまった先輩保護者の
 お母さんの後悔の言葉が
 忘れられなかった…。

 自分の身を投げ出そうとした選手…。
 そのお母さんの後悔…。
 『もっと早くに辞めさせれば良かった…。』
 『今は、元気に生きていてくれるだけでいい。』
 という
 言葉だった…。

 

 私もここで、
 息子に続けさせてしまったら
 後に後悔しそうな気がしてならなかった…。


 
 私がどんなに伝えても
 先生方が引く事はなく
 3人目の先生とは、2時間30分
 ずっと同じ内容で話しが続いていた…。

 


 私
『できれば、他のクラブで
 続けさせてあげたいと思っています…。』

 
『先生たちには本当に感謝しています。』
 

 『こうなってしまった今では
 もう、遅いんです…。』


 先生
 『話し合いの時間を作ってもらえませんか?』


 ずっとずっと続く
 先生とのやり取りに、 
 直接会って話をして理解して
 もらうしかないと思い、
 2日後の夜に
 先生方、息子、私、主人、後援会代表で
 話し合いをする事になった。



 これで、
 分かってもらえると思っていた
 私が甘かった……。

 

 後が怖いから
 保護者は先生たちに何も言えない……
 の意味を
 この時、
 痛いほど思い知らされたのだ……。
 
 
 
 
 『僕たちクラブを辞めるなら
 全国大会は
 棄権してください。
 このクラブを辞める条件です
 どうしますか?』




 つづく

 

   

最後まで読んでくださりありがとうございました。