娘(中3)息子(中1)2児の母です。

習い事をきっかけに息子が小6で『PTSD』

診断。その後、二次障害で『強迫性障害』

発症。息子、小6秋から不登校になり、

続いて娘も不登校に。


習い事のはじまり〜今までの

日常で辛かった事、子供たちとの関わりを

お話させていただいています。


子供たちがまた、心から笑って

過ごせる日を願う母の日記です。


前回のお話

はじまりの続き その6『期待と不安の覚悟』 


1番最初のお話



息子、小学5年生の春。


『日本ジュニア強化選手』になりたい。
 
 この目標を胸に抱き、
 先生との二人三脚の練習が始まった。


去年とは全く違う
技の完成度への厳しさが増していた。
先生の雰囲気、目つきも変わり
誰よりも息子は、先生の変化を
感じ取りながらも
息子の意欲、意志は固かった。
「僕は、自分に負けたくない」と。


4時間半、毎日休憩なしの
猛特訓。
体全体を使うスポーツなので
かなりの体力を必要とされ
かなり消耗される。


離れて見学をしている私にも
厳しく指導されている様子が伝わってきた。


先生に怒鳴られながら
先生の目を見て真剣に
話を聞いている息子。


技の内容への注意は仕方がない。
それだけ高い目標を目指しているのだから。


離れて見守っている私は
見ているのも辛くなってくる場面もあるが
そう、自分に言い聞かせてた。
「先生は息子のために一生懸命
 厳しく指導してくださっているんだ」とも。


離れて見守っている私には
息子が毎日、何を言われながら
練習をしているのか聞き取れなかったが
先生の不機嫌な顔、
息子の真剣な必死にくらいつく顔から
2人の会話を読み取る日々だった。


帰りの車内で息子はよく
その日の反省点や、
これから迎える大会への意欲を
話してくれていた。


「日本ジュニア強化選手」になりたい
固い決意で日々の厳しい練習を乗り越えた。



息子、小学5年生の6月。

いよいよ大会の日を迎えた。
地区大会、県大会では優勝を勝ち取った。

日々の練習がどれだけ厳しい練習で
頑張ってきたかを見守ってきたからこそ
息子が誇らしく息子も素直に喜んでいた。


受け取ったトロフィーと賞状を手に
息子と私は先生の所へ行き、
息子が
「今日の大会で優勝する事ができました。
 ありがとうございました。」と先生に言った。

先生は、
「大事なのは、これからの大会だから」
と言って、今回の大会での良かった点、
悪かった点を息子に伝え
「おめでとう!」と言ってくださった。


そんな2人を見て
日々の厳しさも報われた気持ちにさせてくれた。


指導者と選手。
まさに二人三脚、2人で勝ち取った優勝だと
感じた瞬間だった。



この瞬間までは…。



まさにこの優勝の後からだった…。
大会が上に行けば行くほど、
また、小学校最後の大きなチャンスを迎える
6年生になってからは
更に悪化していった。



目標を叶えるための厳しさではなく
先生の感情が抑えきれず
息子への人格否定が始まり
ヒートアップされていったのだ。



『てめえみたいな奴は、いらない』

『教える価値もない』

『てめえみたいな奴、見てると
イライラしてくんだよ』

『邪魔だからどけ!こっち来んな!』


室内の端から端まで響き渡る
攻め寄ってくる
先生からの暴言の繰り返しで
一生懸命頑張っているのに、
自分自身を否定されていく息子は、
自分を見失っていった。




それから数ヶ月後



その日の練習での反省点や
大会への意欲を笑顔で話していた息子が
練習前、練習後の車内で
練習の話を一切しなくなってしまった。


逆に私が練習の話をすると
「練習の話はしないで!」と
いつしか言うようになっていった。


自分のために一生懸命頑張っていた練習も
自分を守るためになっていた。


息子は、
先生の性格を把握していたのだ。
先生が、どんな事を嫌い
どういう時に怒鳴ってくるのか。
そして、どんな事を喜ぶのか。


いつの間にか
『自分の目標のために』だけではなく
先生に怒られないように頑張るように
なってしまっていた。



つづく