「望郷と海」 石原吉郎事実を事実のまま、何の想像もなく書き綴る。体験をそのまま黙々と描き続ける。 黙々と書く。 これはどういうことなのだろう。 僕の頭では、理解し難い状況を想像できないでいるのに、一行ごとに突き刺さってくる。目を塞いでも映像が頭の中でぐるぐる回る。 描かれている現実に起こった事実は騒々しく激烈で悲痛なのに、文章はとても静かだ。 どういうことなのだろう? 望郷と海 (始まりの本)/石原 吉郎 ¥3,150 Amazon.co.jp