米ウェストミンスター WL5236
ブラームス クラリネット奏鳴曲 作品120-1、2
L.ウラッハ (クラリネット) J.デムス (洋琴)
(1953年録音、初出)
ウェストミンスターの最初期の盤からはなれて・・・。
ウラッハから一枚、となると斷然この盤。 ウィーン・コンツェルトハウス四重奏團とのモーツァルト五重奏曲よりも藝風音色と曲趣との合致が段ちがひだ。 ブラームス晩年の簡素簡潔な書法とウラッハの深い味が胸にしみる。
名演奏たるの條件として奏者がもつた藝風と曲趣との一致、これがもつとも重かつ大であらうとわたしはおもつてゐる。 おほくの作家の膨大多種多樣な作品と、ひとりの奏者との曲趣藝風の合致など到底不可能であらう。 眞の名演奏は賣り手商業がわや評論家諸氏が喧傳するほどにはおほくない。
昨今の「才能ある適當な」奏者には決してだすことのできぬ偉大な結果がここにある。