鋸南町エコツアー「被害対策ワークショップ」その1 | 明治物産株式会社 オフィシャルブログ

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千葉県安房郡鋸南町という、町ぐるみで有害鳥獣被害対策を実施し着実に実績を上げている町がある。

毎年「狩猟エコツアー」というワークショップも行っており、毎回応募者多数で大変好評のようです。

 

そこで3月3日に「被害対策ワークショップ」に参加してみました。

 

スケジュールとしては、午前中は2時間程「害獣の生態・侵入防止策の効果的な設置」の講義受講、午後からは4時間程かけて実際に侵入防止柵(ワイヤーメッシュ柵)を設置するという内容です。

 

冒頭の挨拶は、白石鋸南町長という力の入れようでした。

何でも当初は町民が電気柵の張り方を間違っていたりして、有効な被害対策が実施されていなかったことから農作物の被害が増えてしまった。

そこで町民対象の害獣対策研修会として始めたものが、いつの間にか「被害対策成功例」として話題になり、他の市町村からの参加者が増えたとのことでした。

実際当日は13名の参加者でしたが全員他の地域からの参加者で、参加理由も狩猟を始める為の知識習得、有害鳥獣駆除の仕事に興味がある、自治体の有害鳥獣駆除担当者で取組みを参考にしたい、実際にイノシシに遭遇し身の危険を感じた、等々様々でした。

狩猟関係の雑誌の記者の方も取材で参加していました。

また今回ご指導を頂いた鋸南町役場のスタッフの方々も、別の地域から鋸南町に移住してきて有害鳥獣駆除の仕事を担当している方も何名かいました。

 

午前中の講義ですが、講師は千葉県農林綜合研究センター研究員の松村広貴様でした。

配布資料も分かりやすくまとめてあり、大変内容の濃い講義でした。

参考になった点を記してみると

・害獣対策の3本柱は「生息環境管理」「防護柵の設置」「捕獲」

・電気柵の張り方の間違いが多い→動物によって電線の高さが違う

・毛の部分が電線に触れても感電しない

・光、音、臭い等の獣害対策グッズは最初効果があるが、慣れると効果なし。

・コストはかかるが被害に遭う農作物を防護柵で物理的に遮断し、害獣を侵入させない対策が一番効果的。

・金網柵の場合隙間は絶対にダメ

・害獣に対する知識が不足していて、無駄な対策をしているケースが多い。早急に行政と住民が一体となって対策を講じないと、害獣被害は拡大の一途を辿る。・・・・・・・

 

このように「害獣の生態・侵入防止柵の効果的な設置」の知識を詰め込み、昼食後はいよいよ防護柵の設置になります。

地元の農家の畑にワイヤーメッシュ柵を設置します。

今回は2回目の「被害対策ワークショップ」になり、前回の参加者が全行程の半分の設置を終えており、今回の参加者で残り(約100m)を設置し完成となります。

 

設置場所が丘陵地となり、講義で学んだ「柵との隙間」ができやすい地形で、

意外に大変な作業になりました。設置の様子は次回アップします