みなさんこんばんわ。みちるです。
昨晩はまた新しいお店にお邪魔して来ましたので、今宵はその時のことを。
お邪魔してきたのはここ。
新宿二丁目から大通りを隔てた向かいにある、新宿三丁目の女装Bar「粧(しょう)」さん。
https://twitter.com/Show_Shinjyuku
オフィシャルサイトがないのでX(ツイッター)です。
昨晩はまた「女の子クラブ」からスタートして新地開拓をと思っていたのですが、「女の子クラブ」は11周年記念パーティとのこと。
「お祝いだ~♪」と思って先日RAARさんで着たZARAのワンピースに金髪碧眼という準備をして家を出たのですが。
みちみち、考えてみると「パーティで人がごった返している」ところで「人前でお着換え」して「顔なじみ、昔なじみ同士の中でポツンとひとり」かも・・・などと考え始めたら、どうにも足が向かなくなってしまったみちるさん。。
行けば楽しめたのかもしれませんが。どうも昔から「大勢の人が楽しそうにしている空間」が苦手なんですよね。。。
同じ理由で一人で外食とかめったにしません。
みんなそれぞれ楽しそうにしているのに自分が一人だと、いたたまれなくなっちゃうんですよね。。。
ましてやパーティが始まっている中に入って行って「お着換え&メイクさせてください」っていうのもなかなか勇気が要りますよね。
そんなこんな、考え始めたら急に怖気づいてしまって。
そこでみちみち検索し、先日女装Bar「羽舞」さんで頂いた「新宿女装店マップ」を見ながら女装界隈で落ち着いて飲めるBarがないか探したところ、この「粧」さんにたどり着いたのでした。
道中、すっかり気持ちがしぼんだ中でたどり着いたので自分で撮った写真がありませんが💦
お店は新宿5丁目東交叉点近く、御苑通りに面しています。
写真の道を隔てた右側は新宿2丁目で、お店自体があるのは左側、新宿3丁目になります。
写真でいうところの、木の後ろに見える目隠しルーバーで覆われた外階段があるビルの2階にお店があります。
当夜はすっかり気落ちしてお店の前にたどり着いたみちる。
パーティに飛び込めない自分が情けないような気持ちでいっぱいで、AB型の悪いところ丸出しです。
え?ここまで来てそんなに気落ちする??
なんなら帰れば?と思いつつも、せっかく出てきて回れ右して帰ればそれはそれで意気地なしな自分を責めるモードになりかねない。
小さな片開きのお店のドアの向こうからは談笑する声も聞こえてきて。
ああっ。出来上がった雰囲気の中にあとから入るのは気が引けるっ。
2~3分、店の前をうろうろしてからついに「えいやっ!」と店に入ったわたし。
店内はカウンターのみで8人分ほどの席がすべて埋まっている状態でした。
「いらっしゃいませ。・・・おひとり?えっと・・・」
ママが周りを見渡して、すぐさまわたしの分の席を作るようにお客さんに依頼してくれて。
わたしは末席の、カウンターと外を隔てる跳ね上げ部分に座らせて頂くことが出来ました。
「えっと。何かを見て来られたの??」
当夜はユキさんというママさんがカウンターに立っていらっしゃいました。
「あの・・・。わたしも女装をする者で・・・」
そう。もともと「女の子クラブ」で着替えて、そこを出発点に新地開拓と思っていたので、普通の姿のまま入店していたのでママも戸惑われたのでしょう。
女装のお店に一般人が迷い込んだように見えたのか。。。と思いきや。
「あ、やっぱりね。お肌キレイですもの。雰囲気を見ればわかるわ」
おおっ、見抜かれたっ(^^;
お肌キレイはまあ社交辞令と受け止めるとして、雰囲気でわかるものなのでしょうか。
「こういうお店、何年もやってるとわかるのよ。あたりまえでしょ」
と。のっけからこのようなやり取りがあったおかげでしょう。
女装者だと知れたためか、わたしはあっという間にママや隣のお客様とも垣根なくお話をさせていただくことが出来ました。
「粧」さんは36年前からこの場所で女装のお店として営業されているそうで、この界隈の女装店を網羅した「新宿女装店マップ」もなんとこのユキママさんが企画の中心人物の一人なんだそう。
当夜は30代半ばの男女4人組、女装の方がお2人、男性の方ひとり、そしてわたしにママのユキさんという感じで夜がスタートしたのでした。
わたしはお隣にいらした60代半ばと見受けられる男性の方とおしゃべり。ユキママさんにも聞いてもらいつつ、ここ一か月くらいで新宿二丁目を中心に女装のお店を訪ね歩いているというようなお話をしました。
しばらくしてドアが開き、もうお一方がご来店されました。
その方は80代に差し掛かるかという熟年の紳士の方で、またみんなで少しずつ移動して席を設け、わたしのとなりに座っていただきました。
その方のお話がとても興味深いもので。
50歳を過ぎてから女装にはまったという方で、もう30年近いベテランという事になります。
このお店も古くからの常連らしく、ユキママさんとも昔の話もされていました。
お話しぶりの中から、このお店の内装も30年近く前から変わっていない様子で。まさに新宿の女装界隈を牽引し続けてきた歴史のあるお店なんだなと実感しました。
あまり書くとご迷惑になりかねないのでこれだけにしますが、「女の子クラブ」や「RAAR」などのお店を最近見てきたわたしにとって、女装は若い人のもののように思っていたなと認識の浅さを実感。
様々な人がそれぞれの思いで女装をするわけですが。成熟した大人になってから始める人も多くいらっしゃるそうで、しかもそれなりに立場のある人間が息抜きや大人の刺激を求めて女装をするというパターンがあるようです。
自分もそこそこいい歳になってきているので参考になるというか。なるほどそういうものかと、現実の女装世界の側面が見られた気がしました。
夜も深くなるにつれお客さんも数人が帰ったころ。店主の粧子さんがお店にいらっしゃいました。
偶然にもわたしのとなりに座ってくださって、さらに深い女装界隈のお話を伺わせて頂くことが出来ました。
夜も更けて来てこの夜は終電で帰りましたが。途中の乗換駅で乗り換えを逃して2駅分、歩いて帰りました。
みちみち、この夜に出会った人たちの事、伺ったお話の内容を思い返しながら、夜道を1時間20分ほど歩いて。
女装界隈のひとたちは、実に温かみのある人たちが多いな。
こちらも女装者だとわかるとさっと胸襟を開いて迎え入れてくれる感じが何とも暖かい。
意外と歳かさのある方が多く、インテリだったりそれなりに立場のある人も多い。
そして性的嗜好の話になることがほとんどない。少なくともこれまでは女装の席で性的嗜好の話になったことはほぼなし。ある意味、クリーンな感じというか。
可愛い恰好をしてみたいだとか、異性装をして外を歩くことでどきどきしたいとか。女の子になった気分を味わってみたいだとか。知的好奇心に基づく場合が実に多い。
ひとの女装を見ていると、自分の女装って何なんだろうなとも思います。
自分の女装は幼いころの自分嫌いに端を発する自己肯定感情の欠損を今さら取り戻し埋め合わせる、具現化した自己愛だと自認していますが。
今となっては女装をたしなむ人たちと関わるある種のインターフェースのようでもあります。
女装者は女装者にやさしい。これは間違いなくそういう傾向があると思います。
やさしい世界。女装界隈。
何とも不思議で、何とも魅力のある世界だなとしみじみ思いながら、星空の下を二駅分、歩いて帰ったのでした。