日本の珍味(2)-ふぐの卵巣の粕漬け-
「名品ショップ
」店長の佐島です。
私はふぐ料理は好きなので、毎年シーズンが来ますと1回は行きます。ご存知のとおりふぐは猛毒を持っています。関西では、『当たると死ぬ』から『鉄砲(テッポウ)』というほどです。世界中でこれだけ珍重して食する民族は他に無いでしょう。日本人の先祖が多くの犠牲を払って調理法を開発したのだと思います。こういうところに日本人の凄さを感じるのです。現在、県条例でほとんどの県でふぐの調理人は資格が必要とされています。
調理師試験については、以前お話しました。→http://meihin-shop.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-3517.html
調理師試験に合格して、2年経験を積むと専門調理師の試験を受ける資格がつきます。
この試験は西洋料理、中華料理、日本料理、寿司、ふぐ料理の5つに分かれています。
筆記試験に加えて実技の試験に合格しなければなりません。他の料理はこの資格が無くてもお店をもてますが、ふぐ料理はほとんどの県でこの資格が必要となっています。
普通のふぐ料理の調理方法は沢山の水を流しながら、ふぐを裁いて、毒の多く含まれる内臓や卵巣を切り離し、それらをルールに従って処分します。後の骨と肉と皮等は普通の魚と同じように裁けばよいのです。肝心なことは毒をもった部位を毒を他に移さずに取り去ることです。
ところがこの内臓の肝(肝臓)と卵巣を食するようにしたのです。本当に日本人の執念は凄いです。前者は条例で大分県でのみ食べられますが、これをわざわざ食べに行った話は、別の機会にします。今日は卵巣のお話です。
ふぐの卵巣を加工して食材にすることを認めている県は、石川県( 美川町 が有名)と新潟県くらいだと思います。名品ショップで販売しているのは、佐渡沖で毎年6-7月に獲れる
ごまふぐの卵巣を2年以上塩蔵したのち無毒の検査で新潟県の合格をいただいたふぐの子を更に酒粕で長期間熟成させたものです。粕をふき取りガーゼを剥すと出てきました。
肌色をしていて、たらこ3-4本分の太さがあり思ったより大きかったです。軟らかいので切りづらいですが、薄い輪切りにしていただくと風味がありとても美味しいのです。
お酒のつまみにぴったりです。風味はマイルドなブルーチーズか羊乳のチーズに似ているので、ピザにのせてみたら、以外にも最高でした。本マグロの刺身同様、やがて世界中に広まると思います。安価なうちに是非お試しください。
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