京都大学教授の森毅教授。

出身は東京ですが、京都での暮らしも長いので、

考え方もかなり京都的。


例えば逃げ方。

京都という街は権力の中枢だった時期が長かっただけあって、

保元の乱、応仁の乱、蛤御門の変、などなど

歴史上、何度も市街地戦に巻き込まれています。

ですから京都の人たちは逃げることのエキスパートなのです。

森先生、京都的逃げ方のコツは?

「バラバラに逃げることやね。」

たしかに固まって逃げるより助かる確率は上がりますが、

怖くないんですかね?


「集団にいると「安心」はできるが「安全」ではないからね。」


たしかに。

それにその考えかたって確かに大事かも。

命に係わるアクシデントから逃げるとき、

家族や同じ目的を持つ集団なら、

全滅するより、一人でも生き延びなければならない。

そんなとき、不安だから、寂しいから、とかいって

集団で行動すると全滅してしまう可能性もある。


生き残る、という究極の目的を達するためには

集団のなかで安心してはいけない、

ということでしょうか。

京都人の知恵は深いですな。


絶望に効くクスリ 第5巻より

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