情熱の伝え方/双葉社

¥1,404
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情熱の大陸のプロデューサーが書いた本。
情熱大陸の番組制作の裏側の話だけでなく、筆者がラジオや報道の現場を経験する中で学んだことをエピソードを交えて載せてある。

同業者からすると数少ないドキュメンタリーを作る上で大切なことが綺麗にまとまっている本だと思う。本によると筆者はいわゆるトップランナーではない。追加募集での採用に加え、なれない関西での仕事、上司や先輩から罵倒されることもしばしばあったという。

しかし其の中で、自分の好きなことや直感にしたがってがむしゃらに仕事を進めてきた結果、大きなものをつくることができたという。

本書は、そのがむしゃらに仕事を進めていく過程の中で、筆者がどういう教訓を学び、また関わってきた人からどんなアドバイスや学びを得たかということを詳しく書いており、香川真司や壇蜜など
のアスリートや芸能人との関わりや、報道での警察取材、不正を暴いた調査報道などを通じてどういうことが結果につながったかということを詳しく書いてあるため、非常に面白く、また学ぶことの多い本となっている。

特に自分にとって参考になった点は
・警察取材
・産地偽装問題
・偽募金事件
・江戸前寿司の大将が心がけていること
の4つで筆者が学んだことは大変参考になった。

そして全体を通して伝えられていることは、知識だけでも、体力だけでもダメで、結果として
考えながら動き、失敗した原因を分析して、成功するまでチャレンジするということが大切なのだということである。

情熱大陸は其の集大成というものだ。あれだけスマートな作品でありながらも、その裏には上記にあげた様々な泥臭い経験、体力的にギリギリなスケジュールと、高度な人間的繋がりの中で生まれたドキュメンタリーであることがわかる。

僕は情熱大陸が大好きなので、これからもこの番組を応援すると同時に、自分の日々の取材活動にも
活用していこうと思う。