NHK名古屋放送局のローカルニュースで、東海北陸地方の様々な麺を紹介する特集があったが、福井県の蕎麦屋が作っている「うそば」のことを初めて知った。
 これは、客の中には、うどんも食べたいし、そばも食べたいと言う客が結構多いのに着目した店が、うどんとそばを合体させた麺を作ったところ評判となり、わざわざ県外等の遠くからも食べに来る人がいると言う(うどんとそばを合体させたので「うそば」と言う)。
  
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 この作り方は、別々に打った、そばの生地とうどんの生地をローラーで引き伸ばす時に両者を重ね合わせて引き伸ばして作るのだが、両方の生地がくっつくには、それぞれを引き伸ばす場合は、ローラーに掛けるのは4回で済むのに対し、「うそば」の場合は10回ほどローラに掛けないときちんとくっつかないそうだ。

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  また、お湯に入れて茹でる時も、うどん部分とそば部分では茹であがる時間が異なることから、うどんの厚さとそばの厚さを調整すると言う。
 口に入れると、最初はそばらしい感じがするが、次にうどんのもちもちかんが感じられて美味しいそうだ。
 店では、これにヒントを得て、下の写真のような梅や抹茶を混ぜた「うそば」を開発した。

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  私は、この二色に見える「うそば」を初めて見た瞬間、名古屋・伏見の御園座近くにある「昼夜そば」を出す「圓珠」を思い出した。
 ここの店は御園座に出演する、ある人気歌舞伎役者の贔屓の店と言うテレビ番組の紹介で知って、私も一度行ったことがある。
  「昼夜そば」と言うのは、普通のそば粉で作った生地と殻の付いたまま挽いたそば粉を重ね合わせて伸ばした生地を使ったそばである。
  明るい色合いのそばと暗い色合いのそばが表裏になっているところから「昼夜そば」と言うネーミングが付いている。
  この店の名物は昼夜そばに加えて絹糸を思わす形に仕上がった海老の天ぷら
である。
 これを目当てに県外からの人にも人気の高い店で、予約を取るのが大変であった。
 しかし、この数年、御園座が全面建て替えのために休業したため、その影響を受けて、この店は昨年閉店されたと言う。

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