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 最初にお断りしておくが、これはすべて伝聞に基づくもので私には一切関わりのない話である。
 現金支給されていた給料が銀行振込みになった25年以上前の話だが、実施の方針は会社から半年も前に明らかにされた。
 実施3ヶ月前に振込口座名(2口座)とその振込額を申請する段階で、私の職場ではどのように口座を設定するかをそれぞれが披露した。
 某アンケート調査では給料は全額奥さんに渡し、自分の小遣いは奥さんから貰うという家庭が大多数とのことだが、私の職場ではこのような考えはとても不健全だと考えるものが多かった(笑)。
 半年も前から着々と奥さんを欺くことを考えていた者がいて、会社の業績が日増しに悪くなっていると帰る日も帰る日も妻にボヤキ始め、同僚にも口裏を合わせるように頼んだので、これにならう者も出てきた(この時以来、彼等だけ家庭に持ち帰る社内報は経費節減のため廃止された)。
 会社への申請は一人を除いて全員が奥さん用と自分用の2口座を設けた。毎月一定額しか入らない口座は奥さん名義に、残額分の振込口座は自分名義にするものが多かったが(残業代等臨時給与が全て自分の小遣いになるため)、この機会に臨時給与を考慮しなくても自分の小遣いを大幅に増やせたのは社内報廃止組であった。
 残りの一人はこのタイトルにふさわしい恐ろしいテクニックを披露した。
振込口座は自分名義一本、全額が会社から入金後、自分の小遣いの一部を差し引いた分を引き出した残りを奥さんの口座に振り込むのだが、振込用紙には、その振込者の名義を自分ではなく、わざわざ会社名を記入するとのこと。
 こうすれば奥さんは会社から全額振り込まれたものと信じ込み、そこから改めて旦那の小遣いを分配してくれるからだという。
 こうして、かつての同僚の中には優雅なリタイア生活をおくっている者もいるが、これまで私のブログを全て読んでいただいた方なら私がそれに乗り遅れたことを疑うものはいないはずである。
 たった一人を除いて。
 せめて、写真で読者を欺いてへそくりを多く見せるしかないな。