令和の中学生とフリータイムのカラオケ、楽しかった。



しかし誰かが


ワカバの「あかり」という曲を歌ったら、




そこまでクソ盛り上がっていた中学生8人のうち数人が


泣きだした。



そう、この曲ね、


10代の自殺防止キャンペーンの曲なんだよね。


この曲、学校でも自殺防止教室で、みんなで聴くんだって。


そしたら、いつも元気でふざけている〇〇君でさえも、

この曲を聴いて泣いてたんだって。



今日私とカラオケをした中学生、



A子の親は、

薬物のオーバードーズをして、A子は必死で救急車を呼びながら、親の手を握っていた。




B子の父親は、

アルコール依存症で暴れる為、母親と一緒に逃げて、今は何と祖母の彼氏の家に間借して暮らしている。




C君は、

一見、優秀なお金持ちの家だけど、なぜか父親は逮捕された。




D子の母親は、

シングルマザーで、中学校の近くの職場で既婚の上司と不倫をしたりしている。

職場に不倫相手の奥様が乗り込んできたり、それがママ友の間で噂になっていて、

それでも母親は噂も気にせず、今は新しい彼氏の家に入り浸りで、土日は帰ってこない。


(※ちなみにD子は性同一性障害で、心は男の子。)





E子が小学校2年生の時から両思いだった同級生の彼氏は、

中学入学してすぐ、一年生のゴールデンウィーク明けに突然、学校に来なくなり、気づいたら学校にも在籍しなくなり、彼氏のスマホも解約され、彼氏の行方は杳として知れない。




みんな苦しいよね。


平和なはずの先進国日本の

令和の中学生、



まだ14年間しか生きてないのに

本来なら、親の無償の愛を受けて何も心配する必要はない時期なのに、

実は

すごく過酷で苦しいよね。





私の中学時代にもいた、仲良しのコウイチ。


ずっと私を好きだと何度も告白してくれた。



コウイチは何故か、17歳のヤンキーのお姉ちゃんと1DKのアパートで2人暮らしだった。


お姉ちゃんはあまり帰ってこなくて、ヤンキー仲間とシンナーを吸ったりしているんだって。



コウイチのアパートは電気が止められていて、夕方、みんなでキャンドルをつけて、コウイチの家にたむろをした。


 



私はね、

コウイチが


クソうらやましかった。




私の母が、子供の勉強に厳しくて、

私は塾やピアノが毎日あったから。


そして私の母は、子供の健康を気遣い、

食事に11品目を取り入れ、それがまずくて食事が辛かったから。



贅沢で恵まれていた私は、

意味もなく苦しいと感じて、


うるさい親がいないコウイチがうらやましかった。


電気が止められて、

アパートでキャンドルをたいてカップラーメンを食べる生活が、

ワクワクして見えた。



バカだよね、

私は。



ちなみに最近、コウイチのことを友達に聞いたら、

アラフォーの今、


お金の件で地元の先輩に不義理を働いて、



コウイチは地元から逃げたらしい。



まだうまく生きれないんだよね、


だって教えられてないもんね、

生き方を。



でも、地元から逃げたって…


行く場所はあるのかな、

コウイチには。


私には地元ではなく、アメリカにも東京にも生活がある。


でもコウイチは…行く場所があるのだろうか。








今日、令和の中学生にこんな話をした。



「高校は楽しいよ、


学校帰りにみんなでカラオケ行ったり、

アルバイトしたり。



大学も楽しいよ、

アルバイトをして海外旅行に行ったり。




高校も大学も仕事も、


無限にある。



世界も無限にある。




大きくなったら、


働いて、


お給料で


海外旅行に行っておいで。



世界を見に行ってほしい。


イタリアに美術を見に行ったり、

エジプトに歴史を見に行ったり、


大きくなったら、

世界を見に行ってみてほしい。」





つまらないアラフォーの私のたわごとを、


令和の中学生は、優しい顔で聞いてくれた。







「でも俺たち、まだ中学2年の秋だよ。


中学卒業まで長いなあ…。」







「長いようで、


あっという間だよ。


ここから

卒業まで、

あっという間だよ。



延々と続くような気がする中学校時代、

本当に本当にあっという間だよ。」







「私は英語をしゃべれないからな。」






「英語なんてカンタンだよ。


つまんないことを言うようだけど、

中学校では英語だけは頑張ってみて。




大人になって、役に立つのは英語だけだったよ。



そして英語が話せれば、世界中に友達ができる。


日本には1億人しかいないけど、

世界には80億人がいる。


本当に気の合う親友が、外国にいたりする。





あとはね、もし英語以外で余裕があれば、

歴史や地理や政経かな。

勉強している時は暗記ばかりでつまんないかもしれないけど、


大人になれば、まあ予備知識としては必要だったり、なかなか面白かったりするからさ。




海外旅行でも役にたつのは、


英語、歴史、地理だしね。」








「もし英語をしゃべれなかったら、

メイを通訳として連れてくわ。」






あれ?


やっぱり令和の世代にも、


この昭和後期生まれのおばさん(私)は


必要ですか?







…ちょっと嬉しいやないかい!







「わかった、

君たちと旅行に行くのは楽しいやろうな。


中学で大事なのは勉強より、

友達だと思う。


君たちを見ていると、

ワクワクするよ。」





帰りは寒くなっていた。


おとといまで東京は暖かくて、

半袖を着ていたのに、


冬が始まるよ

By槇原敬之




カラオケ代14000円(私が負担)の後、


(私が

「塩分が欲しい!」とフレンチフライや唐揚げを頼んだり、


「次は糖分が欲しい!」とアイスを頼んだり、


みんなでワイワイ沢山食べた。)




土手沿いをみんなで自転車で帰った。


ふと、


私の中学時代が蘇った。



私も九州で、

こんな土手沿いに暮らしていた。




一瞬、私が中学時代の友達と過ごしている錯覚に落ち入り、



懐かしかった




令和の中学生の後ろ姿を、


私の中学時代の大好きな友達にかさねた。




あれから25年。


みんな元気かな。




胸がキュンと苦しくなった。




さっき歌った、

九州出身の

globeの「Precious memories」を思った。


懐かしくても会えずに

どこにいるかもわからずに


きっと偶然、街ですれ違っても、

気づかずに お互いの道を目指してる





「今日はありがとうございました。」


さっきまで私にタメ語だったのに、


最後のお礼だけは、しっかり敬語で言う令和の中学生たちに、





「またカラオケ行こうな。


今日は私も楽しかった、


本当に楽しかったよ。



明日からテスト、

まあぼちぼちやって、


またカラオケ行こうな。」