先週の話。



何かの話の流れで、

私は彼に自分の苦しすぎる過去の話を

少しした。



 



私はクソ笑いながら、


ネタにして、



得意の

アメリカンジョーク&

オーバーリアクションで。




彼は悲しそうな顔をして、聞いてくれていた。



しかし私はところどころネタにして、ひとり笑っていた。




だが、


ふと、私の言葉がつまる瞬間、


彼が咄嗟に立ち上がり、立っていた私をハグしてくれ、


「もういいよ。大丈夫、大丈夫。」と言ってくれた。






そしておととい、


文化の日の前日の夜。



彼は飲み会に参加するけど、飲まずに飲み会後に私に会いに来ると言っていた。


だいたい夜10時くらいになる、と。



しかし夜10時あたりに電話がかかってきて、


「ごめんね、今、終わったんだ。


今から家に一旦戻って、着替えて、メイのマンションの下に行くよ。」





「そうだったんだね、

疲れてない?」





「大丈夫だよ。」




あと一時間くらいかなあ。


…と思って待っていたら、12時近くになった。



彼は連絡がマメなタイプで、だいたい家を出る前に「今から出るよ、今からだいたい40分後ね」って言ってくる。


彼の家は、私の家から約20キロ離れている。

高速を少し入れても、30分〜40分かかる。


1時過ぎちゃうのかな、


断ろうかな…とスマホを見たら、



ちょうど彼から電話が。



「今、高速を下りたから、あと10分でメイのマンションに着くよ。」





「え?家を出てたの?」





「ごめん…家を出る瞬間にメイに電話したら、『遅いから明日にしよう』って言われそうな気がしたから…。」


彼、私のことがよくわかってる。




それからマンションの下で彼に会った。


彼は私のマンションの近くの海の見える公園に行きたいと言った。


 


「ところで昨日はありがとう。

あなたが『メイの代わりに一人で沖縄に行って、問題を解決してくる』と言ってくれて、

すごく心が落ち着いた。」





「もちろん僕はメイが僕にやってほしいこと、何でもやるよ。」






「本当にありがとう。

でもその言葉だけでもいいんだ。


現実にはできなくてもいい。

言葉だけで、嬉しかった。


愛してる!」





そこから公園のベンチで海を見ながら話した。


彼の好きなものを夜食代わりに持ってきた。


彼はおいしいと言って食べてくれた。






11月なのにあたたかい夜で、気持ちが良かった。



ずっと楽しい世間話をした。


時折、彼に甘えてぎゅーっとハグしたり、キスをした。




バトミントンが落ちていたので、遊ぼうとしたけど、羽根だけがなくて、


書類を丸めたものでやってみた。


全然続かなくて、


それがおもしろくて笑った。



「バトミントンって左利きが有利なんだよ!」


※私は左利き。




「本当?じゃあ僕も左手でやってみよう!」



全然打てなくて、大爆笑。 

何がこんなに面白いんだろってくらい、笑っちゃう。



「メイも利き腕ではない右手でやってみて、僕は左手でやるから。」




「うわー!なんか気持ち悪い!フラフラする!」





彼といると楽しい。


彼が楽しい話題ばかり振ってくれる。




ずっと話をした。


コンビニには2回行った。


2人でカフェラテを深夜に2回も飲んだ。


私が毎朝、出勤前にカフェラテを買うコンビニ。


顔馴染みの店員さんだった。


朝、ビジネススーツを着てマジメ(?)な私が、

深夜に彼と笑いながらカフェラテを2回も買いに来る。


ちょっと恥ずかしかった。






毎朝飲むカフェラテを、彼と深夜に飲む。


それがワクワクして楽しかった。






すると…



空が明るくなり始めた。


「え!?もうすぐ朝!?滝汗





「本当だ!」




「一晩中しゃべってたね。」




ふと後ろの芝生を見ると、


若い、おそらく大学生の男女グループが、バク転みたいな練習をして、大笑いをしていた。






「見て、楽しそうだね。

大学生かな?


ねえ、こういうの懐かしいよね!」






「え?」





「だって高校生や大学生の頃、こうやって一晩中、遊んだじゃん。


私は高校生の頃、九州で、車を持ってる先輩の5人乗りの車に8人くらいで乗って、みんなで海に行って、夜の海に制服のまま飛び込んで、朝まで遊んだことと、



大学生の頃、高田馬場の駅前で友達20人くらいとギターを弾いて一晩中、みんなで弾き語りしたことが、


一番の思い出。


この2つを思い出すと、元気になる。




あなたは?」







「僕は…高校生や大学生の頃に、


一晩中、外で遊んだことはないな。」






「うそつけ。」





「僕はマジメだったからな〜。」





「もっとうそつけ。

あなたみたいな楽しい人が高校や大学にいたら、間違いなく友達グループのムードメーカーでしょ。


だいたい友達とオールしたことない大学生なんか、この世界にいるの?」






「ずっと仕事をしながら、学校に通ってたから。」





「大学生の頃?

それとも高校生の頃?」




すると彼は


「7歳の頃から、

仕事をしながら学校に通っていた。」




…。



7歳?



「”17歳”だよね…?


7歳じゃなくて。」





「…7歳だよ!笑い泣き





「いや、あなたの国でも7歳の子供が働くのは違法だよね?


…というか7歳って、日本では小学1年生だよ?」







「実は1990年代前半、僕の街は田舎で、工場ではこっそり子供が働けたんだよ!笑い泣き






「…いや、工場に7歳って…。


あなた、小学校から大学まで、私立に通ってたよね?」






「ところがさ、実は父のビジネスがマイナスを抱えて、大変だったんだ。


それなのに私立の学費を子供が働きながら通うって、ウケるよね!笑い泣き




滝汗





そこから彼は、


7歳から働いた話を


ネタにして笑い出した。




おもしろくはなかった。



辛かっただろうな。


彼は7歳から、

小学校、

中学校、

高校、

大学、

そして今日まで、

ずっと働いているんだって。








彼はネタにして笑っているけど、

私は黙って聞いた。



悲しそうな顔をしていたと思う、私は。


私が7歳の頃は、


祖父母が

「あなたはたったひとりの孫娘だから。」

と迷わずデパートで一番高いランドセルを買ってくれた。



両親は

「高いのはいいけど、女の子には重いのでは?」と心配そうに何度も私に試着させた。




夏休みは友達と朝から日が暮れるまで遊んだ。


それでも遊ぶ時間が足りなくて、

「日が暮れる時間は変えられないから、

日の出と共に遊ぼう」と朝5時に起きて遊んだ。


川、海、プール、勝手に遊びに行っていた。




兄と2人で特急列車に乗って、祖父母の家に行くのも大好きだった。


兄は自身の結婚式で、一番楽しかった幼少期の思い出に、「妹と特急列車に乗って、祖父母の家に行ったこと。」と言っていた。




駅のホームには、優しい顔の祖父が待っていた。


祖父とカブトムシを取って一日中、山遊びをして、

大正後期生まれの祖母は、私と兄が喜ぶようにオムライス、ハンバーグ、ミートソースの洋食やプリンを作ってくれた。





7歳の頃、

私は何の心配もしていなかった。


嫌なことなんて、

宿題とピアノの練習だけ。



あの頃、7歳って、みんなだいたいそうだと思っていた。





でも確かにいたよね、




ランドセルを買ってもらえない子、


食パンだけで過ごす子、


親がいない家で、ヨチヨチ歩きの赤ちゃんをオンブしたまま遊びにくる子、


お家にお風呂がなくて入れない子、


無償の愛をくれる両親や祖父母がいない子、




いたよね。





彼の話も悲しかった。




そんな自身の辛かった話をネタにして笑っていた彼は、


話の途中で、


一瞬、言葉をつまらせた。





私はその瞬間、彼にハグをした。



彼も黙って私をぎゅーっと抱きしめた。





彼はいつも笑っている。




私が彼のことを好きなひとつは、


彼が少年っぽい無邪気さがあるところ。



30代の彼だけど、時折、ノリが子供っぽい無邪気なところがかわいくて、大好き。






でもね、


彼はオトナだった。



彼を知れば知るほど、


彼はずっとオトナだった。




彼も辛いことがある、


でもそれをネタにして、

笑いにする。




「ねえ…今から、

私と洋服のまま、夜の海に入る?」




「いいよ!」




「冗談だよ!笑い泣き

アラフォーだぞ、私たち。」




「だから入るんだよ!」




「これでもし私らが死んだら、ティーンエイジャーなら『若いノリでこんなことになるなんて…親御さんがかわいそう』だけど、

この年だと『アホ2人やな。親御さんがかわいそう。』って言われるわ。」




やっぱりこういう子供っぽい彼も


大好き。




約20年ぶりにオールして、

(オールという言い方、もうしないのかな?滝汗)



彼と朝日が見れて、


本当に楽しかった。





そして、そこでキャンピングカーを見た。




「私ね、material woman じゃないから、欲しいものはないけど、


でも

キャンピングカーは欲しい!」


(↑むしろクソ高いものがほしいタイプやん。)







「わかった、待ってて😘







「うん、待ってる❤️

2週間待つね!」







「あれ?

メイ、さっきの言葉は言ってくれないの?


『でもその言葉だけでもいいんだ。


現実にはできなくてもいい。

言葉だけで、嬉しい。』

って。」