私はもう一人のイケメンにメールをした。
室伏系イギリス君。
彼はEメールをチェックしないのか反応がなく、仕方なくスカイプにログインし、アルゼンチン君を非表示にして、室伏系イギリス君に連絡をした。
「今日、仕事が終わったらメールください。」
「もちろん。」
時差の関係で、室伏系イギリス君から「帰ったよ。」とメールが届いた時は、私は寝ていた。
翌朝、私から返事を返す。
「今、何してるの?」
「夕飯も終わって、バスケの試合を観ているよ。イェーイ!」
「どこを応援しているの?」
「○○。」
「アメリカを応援してくれてるんだね。
イギリスは、アメリカ人みたいにバスケが好きなの?」
「いや、イギリス人はサッカー派が多くて、バスケはあまり観ない。
でも僕はバスケも大好きだ!!
目が離せずイェーイ、イェーイって観れるから。」
大爆笑。
これフランス君も言ってたな。
「メイは何のスポーツが好き?」
「野球とバスケ。」
「僕、野球のルール知らない。」
「やっぱりね、ヨーロッパ人って、本当に野球を知らないよね。
日本でもアメリカでも多分、野球が一番人気なのに。」
「ルール覚えるから教えて。」
「サッカーとバスケと一緒だ。
タマを追いかけるゲームだ。」
大爆笑。
※「タマを追いかけるゲーム」は、
スラングで性的な意味があるから。
(↑やめろ、私は。
だからアルゼンチン君とうまくいかないんだ。)
「日本で他に有名なスポーツは?」
「日本ならではといえば、武道。
剣道、柔道、弓道、合気道、空手。」
「それ大好きなんだよね、サムライ!
これぞ男のみがなせる術だ!」
「女性もやるよ。」
「マジか。
僕、日本人の彼女できたら、大人しくしなきゃな。
どの武道もタマの危険性を感じる、特に剣道。一巻の終わりだ。」
大爆笑。
「ところでメイ。
何か特別に話したいことがあったんだよね。」
「ああ、うん。」
「やっぱりね。
メールで『仕事終わったらメールください』と書いてたから、何かあったんだなって。
準備はいい?」
(ああ、やはりイケメンは素晴らしい。)
中略。
「いつもアルゼンチン君はね、私に動画を送ってくれたんだ。
動画では笑顔で、いつも私の名前を呼んでくれて、
日本のスイーツを料理している動画や、
楽器を演奏をしている動画や…」
「え!?
笑顔で料理しながら、dxxx出している動画!?」
「違うよ!
アルゼンチン君はパンツはいてました!
何言ってんだ、おまえ!」
「ああ、そうか!
いや、すげースキルの持ち主なのかなと思った。」
大爆笑。何故そうなる。
「ただ昨日、届いた動画は、私の名前は呼んでなくて…」
「また違う別のノイズだったわけね?」」
「Hahahaha
一回、その発想から抜けろよ!」
「うーん。
(↑やはりイケメンは、男同士、他の男性批判はしない。)
僕が言えることは、ただひとつ。
僕はメイに動画は送らないよ、
僕の場合は、とてもじゃないけどメイを感動させてあげられるような光景でないから!」
いちいち大爆笑。
何故か動画を自慰行為と信じて疑わない室伏系イギリス君
「このアルゼンチン君のメッセージ、おかしいと思わない?
(『メールの返信が遅れてごめんね。
〇〇という映画を観てたんだ。
今度メイと一緒に観たいなーと思いながら観てたよ。』というもの。)
「む、矛盾は感じません!
具体的にどこがおかしいのか、教えてください!」
「すべてがおかしい。」
「メ、メイ!ちょっと待ってくれ。
男として大事なことだから、メモ取らなきゃ!
アドバイスありがとうございました!」
「私が君に、男としてアドバイスを求めたいところなんだが。」
「とにかくそいつはタマがある。
(↑度胸があるの意味。)
日本の女性にそんなことができるなんて。」
(先程の武道の話にちなんでいる。)
「一回、タマから頭を離せ!」
「今日ばかりはメイのせいだからな。
野球のルールを『タマを追いかけるゲーム』なんて最初に言うもんだから、
メイと彼氏のトラブルも、きっとタマが関与しているんだなと先入観が抜けない。」
大爆笑。
辛かった話を、腹を抱えて笑えた。
だから男友達って大好き。
コイツはbuddyだ。
※室伏系イギリス君はアホに見えますが、
マジメで高度な仕事をされ、
体を鍛えて超〜男らしく、
日本文学と歴史を愛する、
家族想いのアツイ男性です。
普段はとても真面目な話をします。
今回はおそらく私を笑わせてくれたんだと思います。
※ちなみに改めてアメリカ君と室伏系イギリス君とのメールのやり取りを見たら、
彼らはサイバーセックスのことをphone sexと言っていました。
この単語を忘れるくらい、自分の中で辛かったようで、記憶の中でブロックされていました。