アルゼンチン君と、私のお昼休みにまでビデオ通話をするようになってしまった。



いつ電話をしても、優しい笑顔で応えてくれるアルゼンチン君に、

おそらく私は依存していたのかも。


(アルゼンチン君は、夏休み期間中。)


私の会社は、各自とりたい時間に勝手にお昼休みを取る。


同僚とランチに行きたい場合は、時間を合わせる。



私は会社の同僚ととても仲良くしているのだが、


正直、誰ともランチに行きたくない時期もある。


同僚のせいではない。


私が元気なフリをするのが辛い時がある。




そんな時は、ひたすら忙しいフリをして、

同僚がランチに行かない時間を狙って、私がランチに出る。



同僚がランチに行きたい時間や、同僚の仕事の進行状況は私も読めるので、

わざとそれを外す。




しかし同僚の誰とも話したくなくても、

ただアルゼンチン君とは話したかった。


アルゼンチン君には、とにかく甘えられる。


いつもアルゼンチン君は優しくしてくれる。


大好きな楽器と本の話も、楽しくできる。




アルゼンチン君は、フランス君やアメリカ君、室伏系イギリス君のようにジョーク合戦はしない。


私はジョーク合戦は得意だし、大好きだけど、

アルゼンチン君とはしない。


ジョーク合戦ができるフランス君やアメリカ君、室伏系イギリス君は、頭の回転が早いと思う。


アルゼンチン君は、それよりものんびりした、穏やかな性格。


そんなアルゼンチン君にはひたすら甘えたい。




私の会社には、最上階の社員食堂があるが、

コロナ禍で在宅勤務が主流となり、

時間を外せば、ガランとしている。


そこの端っこの、

湾岸を見渡せるカウンター席に座り、

イヤフォンをつけて、


優しいアルゼンチン君の顔を見る。




そんなお昼休み中、アルゼンチン君とビデオ通話をしていた時、


突然、同僚が私の肩をたたいた。




動揺した私は…



早口でアルゼンチン君に


Baby, I gotta go.

Let me call back you later,

I love you.


と言ってしまった。



ああ…



日本語でも英語でも、

メールでもビデオ通話でも、

やっちまった。



そしてアルゼンチン君もとっさに、

「Ok baby, I love you, too.」


と言っていた。




もう取り戻せない。



気づいたらカップルになっている。



日本のように、

「つきあってください。」

ない欧米や南米では、


「baby」と「I love you.」を使った時点で、

もうカップル成立です。



むしろ「付き合ってください」文化がある日本の方が珍しいらしいね。

日本、韓国、台湾くらいだと聞いたことがある。

バレンタインも確か女性から男性は、日本と韓国くらいらしいし、

日本人は「私たちは韓国人と全然違う」と思っているけど、世界基準から見ると似てるよね。




欧米だと「カップルは自然になっていくもの。」だから、


それによる弊害もある。



一方は「本気で付き合ってる」と思っているのに、

相手側は

「付き合っていない。」

「本気ではない。」

「friend with benefits (セフレ)」


のつもりだったり、欧米アルアル。



(しかし、まあそういう相手は、意外とわかりやすい。

「I love you」「baby」を言わない。

イコール「本気ではありませんよ」アピールはちゃんとしている。



意外にも、嘘ついて「I love you」は言ってこない。


↑これって、


「君とは本気ではないので、

『I love you』は言いません!

benefits だけですよ!」を徹底している真面目な男なのか?


それともただのfriend with benefits と遊ぶ

不真面目な男なのか?



真面目なのか不真面目なのか、どっちやねん。)





↑特に南米男はこのあたりが

評判悪すぎる!


さんざん「愛してる」と情熱的に口説いてくるわりに、

一回寝たら、冷めて次を探したり、

数人と同時進行したり。


意外にも、アメリカ男の方がよっぽど一途。

アメリカ男は、好きになるとハマりすぎて、

2週間後にはプロポーズしてきたり、

「彼女」ではなく、

「婚約者」「妻」と周りに紹介したり。

→そして離婚する。笑い泣き




だから南米男もアメリカ男も嫌なんだ。


(↑世界イケメン祭りをしている私の発言です。)






ちなみに友達同士でも「I love you!」は使うから、ややこしい。


コーヒーを買ってきてくれた男友達に、

「Love you!」


男友達のジョークがツボにハマり、

「Love you!」



明確な決まりはないけど、わざと大袈裟に

「Love you!」と異性の友達に言う。






そして「baby」は、「baby」のみが特権階級です。




「sweet heart 」

「sweetie」

「honey」

「dear」

↑これらは友達同士でも使いますが、

(むしろ恋人同士より友達同士の方が使う。)



「baby」は完全に恋人または夫婦同士、

そして親から子のみです。


友達同士で「baby」と呼び合うことはなく、「baby」と呼ばれたら、相手はあなたを恋人だと思っています。





そして一度

「I love you」を言ったら、


もうその日から「I love you」が会話で必須になります。





特に電話を切る前は、

必ず「I love you」で締めないといけなくなる。


もう言わないわけにいかなくなる。

言わない=「もう冷めた」だから。





特に欧米の男性は、男性からは基本、別れ話をしないので、 


(連絡を減らして自然消滅を狙ったり、


「転勤が決まった」

「仕事が忙しくなるから連絡がとれなくなる」とかウソをついて消えたり、 

↑南極にでも行くのか。


ひたすら冷たくして、辛くて耐えられなくなった女性から別れ話をされるよう仕向けたり。


欧米男性は女性をフルことができない。

だからフラれるように仕向けてくる。)





もう、一度言ってしまった「I love you」を言わないわけにはいかない。


メールと違って、書き間違えたなんてないし。



何より私が発した言葉。


アルゼンチン君のことは大好きなんだけど、

大好きという既成事実を作ることに、躊躇をしていた。





私が恋をすることが目的ではなく、

素敵なイケメンと、夜、話して元気になりたかった。



でも、やっぱり

そんな都合よくいくわけないよね。



お互い好きになっちゃうよね、

毎日、何時間もビデオ通話してたら。


むしろ私がアルゼンチン君を好きだから、毎日何時間もビデオ通話をしていたのだと思う。



「気づいたらカップルになっていた」というより、

私がそういうふうに仕向けていたんだと思う。



だって目を見たら分かるよね。


アルゼンチン君の目は、いつも優しかった。


「大好きだよ」っていう目をして私を見ていた。


そして何より、私もきっと

そういう目をしていたんだ。

(エロい目ではありません。

大好きだよっていう目。)



だからヨルダン君にも、

アルゼンチン君にも言われた。


「メイも僕のことが好きだよね。」



バカか、私は。笑い泣き