フランスのクリスマス・マーケットの翌日、
またモロッコ系フランス君とビデオ通話をした。
「君の主張は本当だね。
モロッコの写真を見て、確かにフランスより美しいよ。」
「ありがとう、メイ。
クリスマス休暇が終わったら…。」
「君の席はないかもね。(笑)」
「え?」
「今日、私はずっと君のことが心配だった。
君は、このクリスマス休暇中の勤務時間に、私とビデオ通話で、バカ動画を観て爆笑し続けて、しまいには仕事を抜け出してクリスマスマーケットなんかに行ったから、バレて君がクビにならないか心配だった。」
「あはは、実は僕も今日、メイのことがずっと心配だった。
日本の深夜まで僕がビデオ通話をさせたから、
今日、メイは仕事中に居眠りしたんじゃないかなって。」
「そう、昼食後の午後2時は危険だった!
このままだと2人ともクビになってホームレスだね!」
「そしたら、2人でモロッコに引っ越そう!
フランスよりも日本よりも、モロッコは物価が安いから!」
「私がモロッコに行ったら私の仕事ないよ、
私がホームレスになることには変わりがない!」
「メイは働かなくていいよ、僕が働くから。」
「それが問題だと言っている。
私が仕事をしなければ暇すぎて、私が相変わらず君にバカなメール動画を送り続けて結局、君はクビになる。」
「モロッコには日本企業が進出しているよ。
メイの仕事なんて沢山ある。」
「それも問題なんだよ。
日本企業は厳しいから、相変わらず私が君にバカな動画メールを送り続けたら、そこでもクビだ。」
「メイは仕事をしてもしなくても、
僕にバカなメール動画をくれるつもりなんだね!
そしたらまた僕もクビになるね!」
「モロッコに行っても、結局ホームレスになるね。」
「2人でホームレスでいよう!
そしたらずっと一緒にいられるから、お互いバカなメールを送り合うこともないよ。」
「確かにスマホ代も払えなくなるから、バカ動画を送りようがない。」
「メイと一緒にいられるなら、スマホなんかいらない。
楽しくて、僕はもう何もいらないよ。」
「何もいらないというより、
何も持てないホームレスだよ!」
「でも僕はメイが持てるなら、幸せだよ。
ずっと一緒にいようね。」
ヨルダン君やフランス君よりも、
ずっとシャイなはずの
モロッコ系フランス君の言葉。
イケメンに言われて、キュンとしてしまう、
だけど、
冗談だよね、
冗談だったらいいな、
冗談じゃなきゃ困ると思う。
でも本当にただの冗談なら、
ちょっと寂しいな、
本当にこんな素敵な男性とずっと一緒にいられたらいいのにな、
なんて、めちゃくちゃな感情になる。
そしてそう言って笑うイスラム教徒の彼も、
やっぱり同じように思っているような気がする。
↓
↓
↓
↓
これって、
ヨルダン君やフランス君の二の舞では。
バカか、私は。