またしても予選落ちの、次はイタリア男性が話しかけてきた。


「やあ〜。メイ〜。what’s up?」



私はなぜコイツを2次予選で落としたか、よく覚えている。



確かにイケメンだが、スーパーイケメンではないのと、


目がラリっている。


それなのに学歴は大学院卒。

一体、何の勉強をしていたんだ。


しかしメッセージの続きには、

意外なことが書かれていた。




「ペンパルになりませんか?

娘が日本に夢中なのです。」

 



いきなりの丁寧文。


そうか…。


私の気分が軟化した。



「こんにちは。お嬢様が日本を好きでいてくださり嬉しいです。

お嬢様はおいくつなんですか?

日本の何がお好きですか?」




「娘は日本に対してクレイジーだよ!」


↑質問の答えになっていない。

クレイジーなのは娘ではなくて、

お前ではと思ったのだが、我慢した。





そして立て続けにきたメッセージは、

「あはは!

いいよ、ペンパルになろう。」


ポーン↑これ、私の言うセリフじゃね?





更に立て続けに、

「メイは結婚したことはある?

僕は離婚したんだ。」


↑だろうな。




無視。

こんな奴には、うまい棒すら渡さねえ。




すると奴は、何故かボイスメッセージを送ってきた。


予想通りの声だった。


30代の白人男性の声だが、

声に覇気がない。

ダウナー系のラリったタイプだ。



私は、私に好意のある男性が話す声がよくわかる。


男性は好きな女性と話す時に、

少し高めの優しい、笑顔の声で話す。


そして例え私が年上でも、

男性は、年下の女性に話すような甘〜い話し方をする。




しかしこのラリラリ系イタリア君の声は、

疲れており、覇気もなく、

「ハロ〜メイ〜?元気?

Are you prepared to ****?」





****の部分が全く聞き取れない。


もし性的な言葉なら、前回のイギリス人同様、

教えてやろうかと思ったが、

本当に聞き取れない。





「なんつった?」




「メイはWhatsApp 持ってる?」

↑ボイスメッセージはこの話ではなかった。




「持ってねえ。」




「スナップチャットは?」




「持ってねえ。」




「テレグラムは?

…もういいよ、忘れて!」




↑私はまだ「持ってねえ」すら言ってねえ。





「メイは何がしたいの?ムカムカ

ずっとここでタイピングで話すだけ?」



いい質問だ。


「私は今、寒い時期なので、

アホとブサイクには興味がない。

話がおもろいイケメンとまずはタイピングして、

私の審査に合格した者のみ、

スカイプでのビデオ通話という名誉を与えるつもりだ。」




さあ、うまい棒を持って帰れ。




ラリラリ系イタリア君の反応は…



「オーイエス!!

準備は満タンだ、

俺はいつも満タンなんだ!」


(Oh yes!

I’m ready!!

I’m always ready!!)


またラリった声でボイスメッセージが。



「メイは何の仕事?」



「会社員。」

(↑英語で通常、この返しはしない。

通常、「証券会社」「旅行会社」などと答える。しかし私はどうでもいい相手にはこの返し。)




それよりも聞きたい。



「お前の仕事は?」



「化学者。」




ラリってるな。






その後もコイツは不定期で、メッセージを送ってくる。


メッセージに、挨拶すらなくいきなり、


「消えたな!」



「何がだよ?」



「メイのアカウントだよ、

消したな。」



「じゃあどうやって今、話してるんだ?」



そこから返事なし。



 




別の日は突然、

「メイ、I miss you!!」

(メイが恋しいよ!)



「I miss you, too!!」

(私もお前が恋しいよ!)


 

そこから返事なし。




おもしろいので、

コイツからの不定期なメッセージには、

丁寧に返信している。




あーあ。


イタリアはイケメン祭りの

優勝候補国だったのになぁ。


本当にどうした、イタリアよ。



ただ私は前回の

無礼イギリス君と、

ラリラリ系イタリア君と話して、

自分を誇りに思う。



私の目に狂いはなかった。



おそらく私の天武の才だ。


楽器演奏では才能もなく、

化学のテストはせめて20点を目標にしていたが、



イケメンの中身を瞬時に見分ける能力を生まれながらに身につけていることに対して

神に感謝をする。