ヨルダン君の友達3〜4人のヨルダン人が、ビデオ通話に登場してきた。



「ハロー!!」



「会話は英語でいいよ」と言われたのに、若干混乱した私は、アラビア語で挨拶をした。




「アッサラーム・アレイコム!」

(私が大好きなアラビア語の挨拶。

「あなたに平和を」の意味。

世界で1番美しい「こんにちは」だと思う。)




すると、ヨルダン君の友達もアラビア語で返してきた。


「ワ・レイコム・サラーム!

(「あなたにこそ平和を」の意味。)

アラビア語が上手ですね!」




「ありがとう。」




「元気ですか?」




「元気だよ、あなたは?」




「元気だよ!」




するとヨルダン君がアラビア語で、彼らに、

「もういいだろ、終わり!」 

と伝え、



声が一気に変わり、優しい声で、

「メイ、ごめんね。嫌だった?」と聞いて来た。



ヨルダン君の声のトーンが変わる瞬間が大好きだ。

 


「ヨルダン君、友達に私のこと話してたの?ポーン




「もちろんメイのこと話してるよ。何で?」



「外国人の異教徒と話してるって、ヨルダン君にとって都合が悪いのかなと思っていた。」




「何で?(笑)

メイは僕たちが毎晩カフェに集まってコーランの話をしてるとでも?」




「あはは、ユダヤ教の超正統派みたい!」




「僕、ちゃんとヒゲはある。

もみあげ伸ばさなきゃ。」



ヨルダン君は、もみあげをクルクルするフリをして笑った。



「ヤバいよ、そんな仕草したら、ヨルダンの隣国のユダヤ教の超正統派にトーラーで殴られるよ。笑い泣き




「こわいな!

でも僕、確信ある。

ユダヤ教の超正統派の男性も、

きっとカフェでは女の子の話ばかりしてるよ。」



「きっとそうだろうね。

私、ユダヤ教の超正統派のドラマにハマったことある。

あの人々も、私たちと同じように、恋や仕事、将来に悩む普通の青年だったよ。」



「そうだろうね。」



ユダヤ教の超正統派の方々が題材のヒューマンドラマ、「シュティセル家の人々」

家族関係や恋を描いている。


日本の感覚とは少し違い、第1話を観た時は、

「何じゃこりゃ。

家族ドラマ?恋愛ドラマ?

…コメディではないな。おもしろいのか?」と思ったが、


その3つをひっくるめたもの。



ジーンズ1の第2話のラストが、

「な、な、何が起こった!?ポーンどーゆーこと?」

と、じわじわとのめり込んでくる。

↑本当、そう思うよ。


シーズン2に入ると、すっかりこの登場人物の家族全員が好きになる。


登場人物に悪い人がいない。

みんな家族思いののんびりした人。


韓国ドラマのような背徳みたいな物語はないので、

ラクに観られる。


私、「登場人物がみんな良い人」みたいなドラマが好きです。

安心して観られるから。

恋のライバルさえも、良い人みたいな設定が好き。



日本語字幕もあるが、英語が得意な方は英語字幕の方がおすすめ。

彼らのジョークが日本語字幕だとなされておらず、(おそらく適切な和訳がなかった。)


英語字幕だと彼らのジョークがきちんと英訳されており、笑える。

私はイスラエルに行ったことがあるが、

普通のユダヤ人は皮肉をこめたジョークが好き。

(↑私、これはちょっと苦手。)


しかし超正統派は、裏をかいた正統なアメリカン・ジョークが得意。



「なんだ、超正統派のユダヤ教徒ってエイリアンみたいで超関わりたくたくねえと思っていたけど、実はおもろい奴らだ。

普通のユダヤ人はあまり気が合わなかったけど、実は超正統派は気が合いそうだ。」

と好きになる。




家族の死もあるが、さすが敬虔なユダヤ教。

死を悲劇とは描かない。



全く悲しいドラマではないが、

心にジーンと響く名シーンが時折起こる。


ああ、日本人の私にもわかるよ…このせつない気持ち。みたいな。






ドラマは現代を描いたものだが、

ユダヤ教の超正統派はトーラーの教えでスマホやパソコンは使えず、

男性は基本、一生、神学生としてひたすら律法の勉強を

一生かけてする。




カトリック教徒の私に言わせると、

「聖書の勉強に一生もかからんがな。

ユダヤ教徒よ、いい加減にしろ。」

と思ったが、彼らのトーラーの量にビックリ!

カトリックの聖書は1冊だが、彼らのトーラーは何十冊あるのか?

写真の右上の辞典みたいな本。↓↓↓


そりゃ一生かかるね。


もちろんイスラム教徒と同様、ユダヤ教徒の超正統派は婚前交渉はタブーで、結婚相手は基本、親や結婚仲介人の紹介で決まり、

イスラム教徒と同様、20代前半に結婚し、

ユダヤ教徒もとにかく子供を産む。

7〜10人位産む。


その理由の1つは、ホロコーストでユダヤは大量虐殺されたから。せつない。



そして超正統派の宗派にもよるが、女性は結婚すると

スキンヘッドに頭を剃り、一生カツラをかぶる。


↑これは何でやねん。

「私は浮気しません」の意味か?

結婚式の後の儀式みたいだけど、お母さんが娘の頭を剃り、娘はたいがい泣くらしい。

そりゃ泣きますよ、母親に髪をそられるなんて。

カツラは良くて、なぜ地毛はダメなんだ。



主人公のアキバがスーパーイケメン。

イスラエルの有名なユダヤ人俳優。


ボトックスだらけのハリウッド俳優なんかより、ずっとカッコ良い。


この「シュティセル家の人々」の紹介インタビューを観たが、



主人公のスーパーイケメン俳優マイケル・アローニが、


「海外に行くと世界中の人々に『アキバ!』と声をかけられるんだ。

だいたいみんなアクセントが違くて、何だか微笑ましい。

英語、スペイン語、ポルトガル語、アラビア語、中国語…色々な字幕で放映されて

いる。

でも例えば遠く離れた香港の人が、

こんなエルサレムの一角で起きている他宗教の家族ドラマなんかを観てハマってくれるなんて、すごいことだよね!」




お父さん役の俳優も、

「私なんてこの前、妻と海外のレストランで食事をしていたら、

イスラム教徒の親子が来て、

『お父さん、私たちイスラム教徒はあなたが大好きなんです。』

と言われたよ。


嬉しかった。嬉しくて涙が出た。

俳優をやっていて良かった。

ドラマが世界を変える。」


本当に良い話だ。



私はイスラエルに行った時、超正統派の方々を見て、

「コイツらだけには近づいてはいけねえ」と思っていた。

(↑いや、だから向こうがな。)


しかしこのドラマによって、彼らが友達だと知れて嬉しい。






「ところでメイ、

今はどこにいるの?」



「今、会社の一階だよ。」



「メイの会社、見せて。」



ちょうど一階のロビーにはクリスマスツリーが飾られていた。


※うちの会社ではありません。ロビーのクリスマスツリーと検索したら出てきた。



ここがメイの会社なんだね。」




「あれはクリスマスツリーだよ。

ちょうど今週あたりに飾り出したんだ。

今日、ヨルダン君に見せられて良かった。


日本はキリスト教国ではないけど、クリスマスが大好きなんだ。

 


あそこのコーヒー屋さんで、毎朝、アイス・カフェオレを持ち帰りして、会社で仕事するよ。


真冬でもアイス・カフェオレを頼むのが珍しく、店員さんと顔なじみだよ。

『アイス・カフェオレですね』って笑われる。


だいたい私と同じ時間に、

かっこいいレズビアンの女性が、私と同じように真冬にアイス・カフェオレを買っていて、

彼女と会えば、

『やっぱり真冬でもアイス・カフェオレだよね、かんぱーい!』って、アイス・カフェオレで乾杯するんだ。


彼女の名前も部署も知らないし、どっか上の役職かもしれないけど(笑)」



↑朝から、カフェで迷惑なハイテンションな

私と彼女だ。


私が愛用しているのはスタバではありません。



※皆様は、カフェオレとカフェラテの違いを知っていますか?

カフェオレは、コーヒーに牛乳。いわゆる甘〜いコーヒー牛乳です。

カフェラテは、エスプレッソに生クリーム。ちょっと苦味があるのが、カフェラテです。



「メイは、昼間はここにいたんだね。」

(時差の関係で、なかなか見れなかった。)





「そう、いつもビデオ通話は、家でノーメイクにパーカーだもんね。笑い泣き







なんだか不思議な感覚だった。


ヨルダン君の友達に会えたのも。





以下、ユダヤ教の超正統派ドラマの紹介。


ユダヤ教徒のドラマが観たい方は、

ネットフリックスの

「シュティセル家の人々」


またはユダヤ教徒の超正統派を批判したドラマは、

「アンオーソドックス」



ユダヤ教徒の超正統派を批判したドキュメンタリーは、

「ワン・オブ・アス」


すべてネットフリックスで観られます。