私が言語交換サイトの自分のアカウントにいる時、

フランス人男性からメッセージが届いた。

I love the elements in your profile :)
Although I have to admit I’m a little scared to get analysed using your psychology for children skills…




Hahahaha!笑い泣き

一発目の挨拶がコレとは、
こいつ絶対オモロい奴やな!!


(※私の経歴に書かれていた「児童心理学」に彼が反応しています。
私が日本語訳すると、ちょっと面白さが半減するので書きません。)



プロフィールは、
ヨルダン君と同じく30代。
出身地フランスのニース。

背が高く、筋肉質。

顔は…
彼の顔を見た瞬間、
「ん!?」
と感じた。
もしかして!?



登山好きで、プロフィール写真には、
世界中の登山での、彼の笑顔の自撮り写真が沢山載せられていて、
そのうち一枚は富士山だった。


富士山の写真で、
彼が着ていたTシャツには、日本語で
「富士山に
1度も登らぬバカ。
2度も登るバカ。」
と書かれていた。


フランス君の言語交換交換サイトの登録時期は、6年前になっていた。
詐欺ならまずアカウントが数日〜数週間で消されているし、

フランス君の写真には、世界中の登山好きから老若男女問わず登山に関するコメントが沢山寄せられて、それにフランス君が詳細な登山に関するコメントを即、返信し、盛り上がっている。


フランス君は詐欺師ではない、
ホンモノだ。

登山家という人生を豊かに生きる人が、
セコイ詐欺に興味があるはずない。


私は返信した。
「一発目にあんな挨拶してくる人は君だけだ。
おまえ、絶対オモロい奴だろ!」




「おもしろさの本領発揮したいところだが、まずはメイを警戒して、自分の話し方に注意しながら話すよ!」




そこから私に書かれていた趣味について、
フランス君は、

「冗談はさておき、メイのプロフィールに書かれていたメイの大好きな趣味の一つで、
実は僕はあまり詳しくはないけど、
特別にずっと好きなものがあり、それをメイに紹介したいんだ。
メイが喜んでくれるといいな。」
と私の好きな趣味で、私の知らない世界の話を詳細にしてくれた。

フランス君は、自分の意見やジョークを交えながら話し、
私は爆笑しながら読んだ。



フランス君は私の趣味に合わせてくれ、
「あまり詳しくはないけど」と言いながら、とても詳細で深く楽しい話をしてくれたので、
次に、フランス君の趣味について話さないと申し訳ない。




「フランス君が富士山で着ていたTシャツに書かれている通り、
私は前者の方のバカなんだけど、
君はおそらく後者の方のバカだろうね。

私は前者のバカでありながら、以前の仕事で登山家と知り合う機会が多くてね。
私、自分はヘタレで登れないのに、
日本百名山の最難関の、
特に剣岳と槍ヶ岳のネット登山記を読むのがとても好きなんだよ。

読んでいるとワクワクして仕方がない。
まるで夢のような素晴らしい世界でありながら、同時に死が近くにありとってもこわかったりするしね。
そういうのって私の趣味の音楽とかにはない世界だよ。



私が一番好きなのは、奥穂高岳の紅葉の涸沢カール。
ネット登山記を検索しては、夢を見ている。
あんな世界が、すぐ近くに、しかも手が届きそうだから行ってみたい。

まあ今のところ、私はせいぜい大好きな雪解けすぐの新緑の上高地の河童橋でコーヒーを飲みながら、穂高岳を眺めるのが最高の贅沢だ。
フランス君がうらやましいな。」





フランス君はこの話に喜び、
「上高地の河童橋で飲むコーヒー、僕も大好きだよ!

次に日本に行った時に、こんな美しいメイと一緒に上高地でコーヒーを飲みたいな。
でも僕は登山後だから、メイは一緒に座ってはくれないだろうね。」


そこからまたフランス君は自分の奥穂高岳の体験やジョークを交えながら話してきた。
私が更に大好きな八ヶ岳ブルーの話も聞いたら、彼は言ったことはないけれど、とても楽しい話を教えてくれた。


この話は、登山をしたことがない私でも、
本当にワクワクして、おもしろかった。 

不思議だよね、
趣味が合わなくても気が合う。
ヨルダン君ともそう。

そしてフランス君のジョークはおもしろく、私は沢山笑わせてもらった。





気づいたら2時間近く、
お互いの違う趣味で大盛り上がりで話していた。



その後、趣味とは別に、好きな外国料理の話になった。

その時に、やはり
ん!?
となり、


「ねえ、フランス君。
君はアラブ人?」




「そうだよ、何でわかったの?」




アラビア語を英語表記で、
「やっぱり!
フランスにはレバノン系が多いから、
レバノン系でしょ!」
と書いたら、




彼もまたアラビア語を英語表記で、
「え!?ビックリしたよ!
何でアラビア語が書けるの?
僕の父はフランス人だけど、
母はレバノン人なんだ。」




英語で、
「しかし、もう私の書けるアラビア語は限界に達した。」





「大丈夫だよ、僕の書けるアラビア語もこれが限界だ。
母からは僕の話すアラビア語は農民みたいだと言われる。」






「やっぱりフランス君はまさにアラブ人だよね。
私、アラブ人の友達が何人もいるから。

彼らは博識で、話が上手、
相手のペースに合わせて、わかるように優しく、ジョークを交えて盛り上げてくれる。
でも欧米人のように横柄さはなく、謙虚。
話したら、わかるよ。」





「アラブ人をよく知っていてくれてありがとう。
感動した。
これは冗談じゃない、本当に嬉しかった。
僕にとって、とても意味があることなんだ。」





「レバノン人で大好きな女性映画監督がいて、映画の受け売りなんだけど、
フランス君のお母さんはレバノン人ならとても美しい人だろうね。」





「ありがとう。
メイの言う通り、僕の母はいつも美しいよ。
普段から美しくいる人なんだ。
専業主婦で、外出しない日でも、
朝からきちんとお化粧をして、髪をセットし、
家の中でも綺麗な服を着て、
ハイヒールを履いたまま、
とても美しい姿で家事をしているよ。」  




素敵だな、レバノン女性。
レバノン女性が大好きだ。

フランス君の年齢を予想すると、
彼のお母さんはレバノン難民だったのかもしれない。

激動のレバノンを生き抜いた、
美しくて凛とした女性だろう。


私が最初に、写真を見て「ん?」と感じたフランス君は、
中東系ミックスの美しい目をしているからだ。

欧米人と中東系のミックスは美形が多いよね。

嵐莉奈ちゃん。小学生の時からめちゃくちゃ可愛かったけど、もう18歳になってたんだね。

正直、今のモデルさんの中では彼女がダントツだと思う。






それからフランス君と、日本人の富士山信仰についての話になった。



「私のマンションから富士山が見えるんだけど、これからの初冬の快晴の早朝には特に、

本当に富士山が美しく見える。


私はカトリック教徒だけど、日本人の富士山信仰が理解できる。

普段は日本語を話すんだけど、ドアを開けて、美しい富士山を拝んだ瞬間に出る言葉は必ず

“Oh my God…”しか出ないね。


会社からのオフィスからも時々、天気の良い日には美しい富士山が見えるけど、

同僚たちは必ず『富士山がキレイだよ』と言い出して、老若男女問わずみんな見つめている。


その時の日本人は必ず目を細めて、言葉もなく富士山を見つめている。

神々しいと感じながら。」






「その通り。

日本人の古代富士山信仰は素晴らしい。


僕も同じくカトリック教徒だけど、

山を通じて神を感じる。


その瞬間は全身に鳥肌が立ち、

とても感情的に全身で神を感じながら、


叫ぶ言葉は、やはりこの一言。 

でも“Oh my God…” ではなく、




“OH MY GOD!!!!” だよ。」




「そこまでOh my Godを叫ぶ瞬間があるなんて、うらやましい。

(いいえ、ドン引きしませんでした。心の底から、フランス君のオーマイガーをうらやましいと感じました。)

私も登山、やってみたくなったな。」





「僕も、メイが大好きな楽器、

ずっとやりたいとは思っていたけど、

僕には無理だろうと先延ばしにしていた。

やりたいな。」




ほんの2時間前まで全く知らなかった、

海の遠く向こうにいる友達と

心から通じ合える瞬間だ。






「ところでお仕事しながら、世界中の山を登るなんて、お休みがよく取れるね。」




また彼の答えにビックリ!!




「僕、データアナリストなんだ。
パソコンがあれば自由がきくし、コロナの前からリモートワークができていたよ。」





「Lol」
(詐欺師がデータアナリストを騙りそうだけど、
本物のデータアナリストはどうしたら良いんでしょうね。
データアナリストだと疑われるから、逆にウソの職業を言わないといけなくなるのかな。)





「どうしたの?」





「いや、フランス君によく似ている人を知ってるから。」





「そんな魅力的な男性が他にいるの?

…そしてメイはその男性に魅力を感じているね。
僕に似ているなら、そうだよね。(笑)」





「まあね。」




「でもそれは僕にもまだチャンスがあるってことだよね?
メイが魅力を感じる男性が僕に似ているなら、
朗報だよ。
魅力的なメイと出会えて嬉しい。

また明日も話せる?
今日と同じ時間にこのサイトにログインしない?」




ヨルダン君とシメ方が一緒だ。
初日にラインや連絡先を聞いてこない。

人生に余裕があるんだろう。
とてもスマートだ。

ヨルダン君もフランス君もとても素敵な男性だから、
ムダに焦る必要がないんだろうね。



ヨルダン君の書く英語はアラブ系で、
フランス君はヨーロッパ系の英語。

話し方も全然違うが、博識で、相手を思いやり、敬意を示しながら、楽しくジョークを交えて会話を運ぶ。

会話の中から、言葉を抜き取り、そこから話を展開させる。

夢中になっている趣味がある為、人生が豊かだから、性格も明るい。




本当にこう考えると、
詐欺師はつまんない奴だな。



(※実は、ヨルダン君がフランス君になりすまして私をキャットフィッシュ…なんてことはないです。
ヨルダン君とフランス君、同じ英語を話していますが、やはりアラブ系とヨーロッパ系、話し方が全然違います。
このフリをするのは無理だと思います。
翻訳機でもこんなこと難関すぎて不可能です。

日本人の書く英語も、やはり日本の文法から日本人系の英語になりやすく、私たちが急にアラブ系の英語のフリなんて、できないですよね。

それにフランス君のアカウントはもう6年間も稼働しており、世界中の登山好きの友達から老若男女問わず人気で、写真でのコメントのやりとりが登山に関して非常に綿密でした。)





私はこのアカウントをもうすぐ消してしまうことを、フランス君に言わなかった。



「そうだね、また話せたらいいね。
本当に楽しかった!
大爆笑した(笑)
君もとても魅力的だよ。」



ヨルダン君のように
とても魅力的で、素敵な彼なら、
きっと同じ登山好きの素敵な人と出会えるだろう。