その日の夜は早く寝た。

毎日、ヨルダン君とビデオ通話をしていたけど、私も基本、平日は早く寝ようと決めた。

私は平日9時〜5時の会社員なので。

メールで充分やりとりができる。


私は普段、夕方6時頃に30分程、地下鉄内でスマホを触り、ちょうどヨルダンでお昼前後のヨルダン君とメールでもいい話す。

家に帰って全ての用事を済ませて、夜12時前後にまたスマホを触る。

その時間は、ヨルダン君の夕方、仕事後にあたる。


更にヨルダン君とは、仕事が一息ついた時に一言二言、断続的にやり取りする。

レストランのランチや景色、世間話にちなんだ写メを送ったり、世間話をしたり。




また私は、週末は基本的に出かける主義。

ただ夜は平日でも休日でも必ず家にいる。



この私のスマホ時間は、時差がマイナス6時間のヨルダン時間にちょうど良かったりする。

 


そこでちょっと感じていた違和感をメールで感じる。

文面が同一人物でない?


パソコンで返信する時と、小さなスマホで返信する時に、英語の文面が変わる人はいるけど。

すべて小文字で書いたり。


だから、だだそれだけなのかな。


でも、もしかしてイケメンのヨルダン君は、詐欺集団の特攻隊長で、毎日色々な女性とビデオ通話で話していて、

メール専門チームが別にいたりして。



ただビデオ通話で話す彼は、敬虔で、優しくて、とても頭が良い。

某先進国の証券会社に10年間も勤務して、アメリカに博士課程を取りに行く経歴のプロセスに矛盾は感じなかった。


頑張って作り上げたウソだとしても、アメリカ政府でのアプライに関する細かい設定が、綿密な話だった。

この話はしばらく聞いていたので、矛盾もなければ、細かいニュアンスまで話しており、

これは実際に体験した人でないと、わからないはず。

現に彼にはビジネスレベルの英語力もある。


日本の政情や歴史にもとても詳しかった。

彼は本当に博識なんだと思う。

アホなら、これらの話をスラスラと、会話に併せて自分の意見やジョークを盛り込みながらできないだろう。

これらの会話は、彼と目を合わせて会話をしているからわかる。


ヨルダン君のビデオ通話に映る実家の上階。

内装や、奥に映る立派なバルコニーから、少なくとも中流より上の層ではあると思う。

それなりの家柄なはず。


そんなエリートで、育ちの良い彼が、国際ロマンス詐欺なんてセコイことするのかな?


ただ私が目で見ているものは、

いつも優しい彼と、

ビジネスレベルの英語力、

博識、

それなりの家。 


あとは敬虔な彼。

これだけ。

でもこれだけは本当だと思う。


人を騙すような人間じゃないと思うけど…。