川越は、私の様々な思いが交錯する町である。

私が最も多く絵に描いた町であり、母が郊外の老人施設で療養し、

生涯を終えた町だ。

そして、私が最初に町並み美術館の開設を検討した町でもある。

従って、この町を何回訪れ、何枚絵を描いたかも定かではない。

だが、時の鐘の絵は3枚も描いており、最初の一枚は、

この絵とは反対側から描いた絵だった。

 

(絵・文:千原昭彦)