私の転職先が決まり退職を申し出た時、会社側はあっさりした態度だった。私の闘いの日々が、こんなに簡単に終わるのかと思った。
会社に「障害者雇用の勉強になった」と言われ、最後までモノ扱いだと思ったのを今でも記憶している。
でも、部長さんや、私の隣に座っていた上司、そして世話役と紹介された母親みたいな女性には、大変お世話になったのも事実である。
私の隣に座っていた上司は、私の退職の日、泣いていた。
“何もしてあげられなかった”
と思っていたようだけど、あなたには陰で色々お世話になりました。
私が唯一出来るワープロの仕事を回してくれて私の居場所を作ってくれた。
上司に私のことで掛け合ってくれたり。
あなたは、その後、部長になられましたね。
私はあなたが偉くなったことが嬉しかったです。
もうすぐ、定年退職ですね。この3人とは今でも年賀状のやり取りがある。
私は、あなた達がいたから、ちょっとだけ頑張れました。