『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』、2007年ポール・トーマス・アンダーソン監督、 ロバート・エルスウィット撮影。
これは凄い傑作。これを選ばず『ノー・カントリー』を選んだアカデミーは恥を知れ。オープニングの採掘シーンから一切セリフが無く画面と音で勝負しており、その迫力はラストまで持続する。ダニエル・デイ・ルイスが子供を助け出して食堂に運び込むまでの移動長廻し撮影を初めとして、力強いショットの持続力が半端でない。
途中、石油の雫がキャメラにつくカットには痺れる。撮影時に意図していたか否かは定かではないが、少なくとも編集時にはこれを意図して入れたのだろう。緻密な計算と準備による作品ではあるが、こういう「偶然」を画面に取り込む力、そして、それを作品の魅力としてしまう力、ロッセリーニの系譜にも連なる監督の力をまざまざと見せつけてくれる。
また、ブラームスのバイオリン協奏曲第3楽章が実にはまっている。


