科学とは自然を観察することである

うまく説明できなかった
科学と自然の繋がりと
そこにある優しさを
淡々とシンプルでわかりやすく
言葉にしてくれているのが
池澤夏樹という人なのかと
この歳で気がついた

十数年前に手にした数冊の本は
池澤夏樹という名前の
響きと同じくらいに
透明感があり聡明であり
爽やかな風のような文章で
その頃の私にはピンとこなかったけど

この数年で
私の脳は変化して
文章に含まれた一つ一つの言葉が
しんしんと心に沁みて心地よく
そして嬉しい

ずっとつっかえていた事が
この人の文章で
解きほぐされていくようです

科学の中にある感性は
自然を観察する事にあると思う
その中にある神秘
知れば知るほどに神の力を見る
生きていること
生命、命の営みに謙虚になる

何故だろう?と思うこと
気づくことで広がる世界
それは幸せになる標のひとつ

垂れ流しの情報に
身を任せるだけで
受け身でいたら感性は淀む

今日はどんど焼きの後に
放送大学の認定試験
その後はバレンタインの打ち合わせ

昨日今日と2日に渡った試験は
一学期よりも楽しめた
好きな章からの問題は
出題されなかったけれども
それでも
なんだか楽しかった
そして清々しい気分

一学期の
初歩からの生物学
植物の科学
二学期の
暮らしに役立つバイオサイエンス
生命分子と細胞の科学

すべてが繋がっている

やってよかったと
本当に心から思う教科だったし
このテキストは何度も読むべきだと
基本の大切さを再認識した

そして
科学者も
何かを作り出す人も
誰かの幸せを
その笑顔を
その先の未来を
良いものにしたいと
イメージして進む姿勢

そんな事にも気づいた

−−
科学を離れて技術が始まる
利がからむ
政治、経済
倫理の問題が大きな要素となる
あまり考えたくない
科学する心|池澤夏樹

−−

これは科学者の抱える
辛い矛盾の壁かもしれない

だからこそ
科学する心は他人任せにせずに
これから人々が生きていくうえで
持っておくべき心ではないかと思う

それは科学という言葉を
感情で振り回されずに見る力でもあり
それは自然の中に置かれて
五感で感じる感覚を研ぎ澄ます事であり

 

−−
自己という存在をもっと
大きなフレームの中で
取り戻す事はできないか

大事なのは
外の世界と
君の中にある
広い世界との間に
連絡をつけること

たとえば
星をみるとかして

休眠状態に置かれた五感を復帰させる
それに合わせて世界を再構築する
個人単位ではなく
人間全体の立つ位置を本来の位置に戻す
人間を含む世界像から世界に働きかける
能動的な関与を目指す
動物たちを絶滅に追い込むのではなく
彼らの間に回帰する

科学は自然を観察し
そこから法則を導き出す
それに対して個人は五感によって
自然から何かを引き出す
科学する心|池澤夏樹
−−

 

インタープリターという言葉がある

私には
香りから自然に導くことが
何かできるのだと思う

きっかけのひとつとして

だからこれからも
楽しく学んでいきたい
この道を選んでよかったと

このタイミングで
再度手にした池澤夏樹の作品
なんだか大きな勇気をもらいました





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