京都丹後の「幻のカニ」

「間人蟹」と聞いて、

一体、何人の日本人が知っているでしょう?

 

イヤその前に、

一体、何人の日本人が「間人」を読めるでしょう?

 

京都、京丹後にある港町「間人」、「たいざ」と読むそうです。

その沖合で獲れるズワイガニが「間人蟹」、タイザガニ、

「幻のカニ」と謂われ、1杯3万円以上で取引されるそうです。

 

「間人ガニ」、何がそんなにブランドなのかというと

港から1時間30分の距離にある漁場で獲れるカニで、日帰りの漁で獲れるので新鮮、ズワイにしては珍しく「生」で食べられるのが特色、

だけど地元の料理屋では茹でて供され、客はそれをウマイと絶賛する

というのですから目黒川、コンフュージョンです。

 

その「間人ガニ」をめぐって、京都の水産業者が不正競争防止法違反と商標法違反で逮捕されました。

兵庫の港に上がったズワイガニに「タイザガニ」のタグを付けて流通させたのがバレたそうです。

 

捕まった社長、

「カニの味の違いなんて分かるわけない」

うそぶいていたそうです。

実際、彼らは10年前からやっていて、一度もバレなかったそうですから、

「カニの味の違いなんて分か」らないのです。

 

バレたのは「タグ」の横流しが行われているらしい

という噂が発端、

味でバレたわけではありません。

 

ブランドの意味、ブランドという詐欺

そうなってくると、

「間人ガニ」というブランドの意味が、疑わしくなってきます。

 

あらかじめ「予備知識」を吹き込まれ、

足に括りつけられた「タグ」の魔力で、消費者の脳が勝手に美味いと判断するのではないでしょうか。

 

気象の変動と共に既にコメの格付けが変わっているのにも拘わらず、

いまだに「魚沼産コシヒカリ」使用を謳う料理屋。

そう謳っている料理屋がもう、3流であることを示しています。

 

テレ朝が時どき、番組改編期に「一流芸能人格付け番付」みたいな番組をやっています。

そこでは、一流と謂われ、舌が肥えていると謂われる芸能人にして、バカ舌であることが証明されます。

 

普段「一流」の店で高い価格の料理を食べて満足していても、

三流のフェイク食品を食べて「一流」と判断を下すのです。

多分、店の雰囲気やネームバリューで、「一流」と信じ込んでいるだけ、

「味覚」なんて、そんなものなんでしょう。

 

一物一価

前にも書いたことがありますが

たとえば「関アジ」「関サバ」というブランド魚があります。

大分県佐賀関沖で獲れるアジとサバです。

 

豊後水道は瀬戸内海と太平洋の海流がぶつかりプランクトンが多く、荒波で育つから身が引き締まってプリプリ⇒ダイヤモンド

という訳ではありませんが、高価で取引されます。

 

ところが同じ豊後水道のアジやサバを愛媛県の八幡浜や宇和島の漁師が揚げても、

佐賀関で揚がったアジやサバの値段はつきません。

 

同様に、津軽海峡に面して青森県に「大間」という漁港がありますが

大間の漁師が揚げたマグロは「大間のマグロ」として高く取引され、

おなじ海域を泳いでいるマグロを対岸の函館の漁師が揚げても、

大間の値段はつきません。

おなじマグロなのに。

 

それは以前、テレ朝が大間のマグロ猟師をモデルに、渡哲也を主人公にしたドラマを放送し人気が高まり、

いつの間にか「大間のマグロ」がブランド化したに過ぎません。

 

まことに下らない理由ですが、

日本中がその詐術に騙されているのです。

「グルメ」なんていうのは、その程度のものです。

日本中がバカ舌なんです。

 

ブランド。

品質管理とか鮮度保持とかいろいろ言っていますが、

要は高く売るための方策です。

 

「ブランド」を付けて売っている業者が、実は、

「ブランド詐欺」をやっていることになるのではないか、

 

それに引っかかって疑わない日本人。

かわいそう。

 

カキクケ・ケケケケケ。